番外編【蠢動(しゅんどう)】後編
屋根の上でシャウラは
暗殺対象のターゲット『甘飴甘味』と
その連れ『てふ』が
何も気付かず平和にギルド学園へと入って行ったのを
見届けていた。
シャウラ「はぁ……やっちまったなぁ」
暗殺の失敗に嘆きながら、
仮面を外し、つい、ため息を出してしまった
だがその顔は、
後悔など微塵も感じさせないほど
どこか清々しい顔をしていた。
そこへ、
ーーシュタッ
クロード「……シャウラぁ
いったいどうゆうつもりだぁぁ?」
黒い髪のちょび髭の男が
怒りをあらわにして屋根の上へと現れた
お気に入りの黒い仮面を奪われて怒っているのか
それとも絶好の機会を逃し、
ターゲットをギルド学園にみすみす入れたことを怒っているのか……
おそらく両方だろう。
シャウラは奪った仮面をクロードに投げ返した
それはまるで2人でフリスビーでもやっているかのように
綺麗にクルクルクルっと回転させながら
まっすぐ仮面を投げ飛ばしていた。
フリスビーと表現したが勘違いしないでほしい
きっと『あなた様』はシャウラの投げ方のことで、
誤解を生じている可能性があるからだ。
なぜならフリスビーの投げ方は、
基本的にはバックハンドで投げるのが主流となっている
だがシャウラの場合、
サイドアームでの投法なのだ。
さらにピッっと軽く投げただけで飛ばしてみせているのだ
それは手首がしなやかな証拠だ
そもそもフリスビーとは……
はっ!((((;゜Д゜)
……いつもの悪い癖が出てしまったようだね。
すまない。
僕にナレーションをさせるとこうなるから、
作者さんは次回からは僕の起用には気をつけてやった方がいいと思う。
では番外編に戻るとしようか。
ーーパシッ
クロードは仮面を片手で受け取ると、
大事そうに懐へとしまった。
代わりに腰のベルトにぶら下がっている短剣を
鞘から抜いた。
クルクル〜パシッ クルクル〜パシッ
クロードはその短剣を宙に向けて片手で軽く
放り投げる動作を何度もしていた
首に手を当て
コキッコキッっと首を振り鳴らしている。
まるで準備体操でもしているかのようだった。
クロードの顔は眉一つ動かさず真剣な顔付きをしていて
そうとう怒っているのだと、
長い付き合いのシャウラには伝わった
シャウラは無事では済まないと覚悟し、
自身も短剣を静かに取り出し、
そして身構えた。
シャウラも真剣な表情となり、
クロードのことを見据えている。
ーービリッ!!
互いから発生された"静かな殺気"が
空気を震わせた……
その時だった!
またしても老婆の声が響き渡り、
2人の"殺し合い"は始まる事もなく中断されたのだ。
ジルバード「ひゃっひゃっひゃっ、
任務は終わりさね、
お前さんたちの依頼主は
別の依頼によって始末したさね」
老婆はそう言って高笑いをしていた。
老婆の服は血まみれだった
……が、
それらはすべて"返り血"なのだと2人は気付いていた。
シャウラ「(やはり師匠は裏で動いていたんだな
まったく……恐ろしい婆さんだな)」
クロード「(ちっ、これもすべて婆さんの
手の平ってか?
ったく……恐ろしい婆さんだぜ)」
またしても同じようなことを2人は思っていたのだった。
「ひゃっひゃっひゃっ、
お前さんたちわたしが恐ろしいかえ?
そう化け物を見るみたいな目で見ないでおくれ
ひゃっひゃっひゃっ」
ジルバードはまたしても2人の心の声を読み、
見透かしていた
クロード&シャウラ
「「(妖怪め……)」」
一連の出来事は終わった。
ひとり佇むシャウラ
クロードとジルバードは王都内にある自分達の拠点に帰ろうとしている
シャウラはまだギルド学園をじっと見つめていた
ピンクの髪の女の子を思い出していたのだ
あの笑顔が可愛いかった
あの明るく元気な声になぜか勇気が出た
あのまっすぐな瞳が正しさを教えてくれた気がした
「……なぁ、師匠。
オレさぁ、、、
暗殺者を……辞めるよ……」
突然のシャウラの告白だった
「冒険者になりたいんだ。
1から学び、冒険者になるよ。」
突然のシャウラの告白に、
クロードが1番驚いていた
「は、はぁ⁈
お前には暗殺者としての"素質"も"才能"も
十分にあるんだぞ?
なんでわざわざ冒険者なんかになるんだぁ⁈
それにお前は、
【王都暗殺部隊】の一員なんだぞ?
【王都ギルド】って言えば、
入りたくても入れない
ってやつが山ほどいてだなぁ!
入れないやつらは、
"ポケモンカード全部キラパック"
を当てれなくて嘆いているくらい
王都ギルドに入れないことが
悔しくて悔しくて
枕を涙で濡らしているんだぞ⁈
それをあっさり捨てるってか⁈
儲からない冒険者なんて辞めとけっ!!」
クロードは熱くなっては乱暴な口調になり
様々な言葉をシャウラにぶつけた。
……例え方が作者さんのセンスを問われるが、
僕もポケモンが好きなので
スキル〈そこには触れないでおこう精神〉を使わせてもらうよ。
熱くなっているクロードを他所に、
ジルバードはじっとシャウラを見つめていた。
「(……これも宿命さね)ーーボソッ
シャウラ!
別に構わないさね!
多いに学んでくるといいさね。
ギルド学園の学園長には話を通してやるさね
なんせ、
"リーちゃん"と"モフ郎"とは幼馴染さね、
すぐに学園に入学できるさね。」
意外にもあっさりと了承したジルバード。
シャウラは部隊を抜けることに対して、
(なにかしらの罰があるのではないか?)っと、
身構えていたのだが、
何事もなかったので拍子抜けしていた。
ジルバードはまたしてもシャウラを見透かし
高笑いを出していた。
『ひゃっひゃっひゃっ、
除隊する時に、
「暗殺部隊の秘密を知っているから
生かしてはおけないな」
とでも告げられると思ったのかい?
ひゃっひゃっひゃっ、
……
………そんな決まりはないさね
お前さんの人生さね
……好きに生きな』
最後の方は高笑いも止んでいて、
ジルバードは優しくシャウラに微笑んでいた
それはいつも敵に対しての油断させるニコニコ笑顔ではなく、
母親が子供に向けるような、
そんな優しい優しい微笑みだった。
そしてその瞳には哀しみや寂しさの光が隠れていた
シャウラ「師匠……ありがとう。
学んでくるよ。
まぁ、
冒険者になった時に
例え仲間がいなくったって
オレ独りで冒険をやってみるさ!」
クロード「いや、その時は帰ってこいやっ!!」
クロードがツッコミを入れた。
シャウラはクスッっと笑い、
「ヤダよ!ベーっ」と舌を出し、
可愛くポーズを決めてはからかっていた
クロードは一瞬ドキッっとして顔を赤くしたが、
それを悟られないようにして
「その前に仮面の借りを返しやがれ!」っと叫び、
逃げるシャウラを追いかけていた。
そんな光景を見てまた高笑いをするジルバードだった。
「ひゃっひゃっひゃっ。
(……きっと見つかるさね、
なんせあたしが出会えたくらいさね、
今では【英雄】と呼ばれている
"最高の仲間達"に。
シャウラ……
お前さんもきっと出会えるさね、
"心から側に居たい"っと想えるような、
そんな相方に
そんな仲間達に
……行っておいで……シャウラ)」
こうしてシャウラがギルド学園へと入学する〈きっかけ〉の出来事が幕を閉じ、
そしてギルド学園で新たな物語が始まるのだった
めでたし、めでたし。
余談だが、
クロードはシャウラのことが好きなのだ
それはもちろん異性としてだ。
最初からそうだった訳ではない、
ジルバードがシャウラを拾って来たときは
妹のようにしか思ってはいなかった。
だけど、
シャウラの才能を間近で感じ、
すぐに追いつかれそうになり、焦り、
自分も負けじと修行をしてきた。
クロードの心の中では、
シャウラは妹でもありライバルなのだ。
そして気づけば次第に惹かれていたのだ。
クロードはいつか自分が独立して立派になった時に
シャウラに告白をすると決めているのだ。
ちなみにずっと後のことだが、
会員No.0番が作った〈シャウラファンクラブ〉に
クロードは速攻で加入するのだった。
あっ、そうそう。
何度もごめんよ……
ここまで読んでくれた『あなた様』だけに
特別に"黒装束の男"のことを教えておくよ。
作者さんはアニメ版だけに公開する予定だったみたいだけど……
まぁこのご時世、
どうなるかわかんないからね。
生きてる内に載せておこうってことみたい。
まぁ、見てあげてよ。↓
ーーー
甘飴甘味とてふが
ギルド学園に入っていくのを遠くで見守っている黒い影があった。
その黒い影の正体は、、、
自称"忍びの者"を名乗る男だった。
そう、、、
あの黒装束の男だ。
シャウラ達の暗殺をことごとく邪魔してきた人物だ。
パパ飴「うぅぅぅ〜
かんみぃ〜〜!
パパは寂しいっ!!
あまり暴れちゃダメだぞっ!
パパのこと忘れないように
ギルド学園の寮へ
パパの写真を大量に送ってあるからな!
ちゃんと受けとるんだぞっ!
うぅぅぅ〜
お友達のてふちゃん、、、
かんみのこと頼んだぞぉぉ!!」
……な、なるほど。
主人公の甘飴甘味のお父さんだったんだね。
普段は語尾に
"ござる"と"おじゃる"は使ってないみたいだね。
だとしたらなかなかの演技派だ……
以上でこの番外編はおしまいだよ。
僕のナレーションはどうだったかな?
楽しんでくれたのなら嬉しいよ。
では僕はそろそろ行くね。
番外編【蠢動】 完
↓この番外編ができた〈きっかけ〉がこちら↓
①お風呂場でボディソープをタオルに向けpush
②カシュッ、カシュッ、っと音が鳴り、
「もう出ないよぉ〜」っと、
神の声がお風呂場に響いた。
③わたしは神の声に逆らい、蓋を開けた。
その日の分をなんとか絞り出し"確保"。
事なきを得る。
④しかし次の日に悲劇が……
わたしは絶望の瞬間を味わうことになる。
神に逆らった罰だと言うのか……
⑤アホなわたしはボディソープの中身が
無くなっていることすら忘れ、
お風呂場にログイン
⑥昨日と同じく、
タオルに向けてpushしようと手を伸ばした時だった
そこでようやくわたしは「はっ!」っと気づくのだ
気付くのが遅い……遅すぎたんだ……
時すでに遅し……
ZOZOTOWNで買った戦闘服はすでにドラム式洗濯機の中、
詰め替え用の替えを取りに行こうにも
真っ裸なのでお風呂場から出られない
「籠の中の鳥とはこのことを言うのね」
っと1人つぶやき
お風呂に浮かんでいるひよこちゃんをじっと見つめていた。
そしてなぜか、なぜなのか、
このタイミングで、この場所で、
「生類憐れみの令って、
徳川だれだれさんが発動したんだっけ?」っと、
なぜか歴史を振り返っていたのだ。
きっとこの時のわたしはどうかしていたのだと、
今になって思っている。
⑦正気に戻ったわたしは、
昨日と同じ戦法を使おうとするも、
「オレに2度は通用しないぜ」
とでも言っているかのようなボディソープさん
たしかに昨日の時点ですべてを絞り出している。
2度目は無いのか……
わたしは絶望の中、震える手を伸ばしていた。
⑧しかし!
持ち上げてみると、
意外や意外!!
"ズシッ"とした重みがッ!!!
⑨さらにpushしてみると、
ちゃんと出てきた!
出てきたよぉー!!
嬉しさの余りいつもより余計にいっぱいpushしちゃったよー!
でも嬉しいっ!!!
⑩知らない間に無くなっていて、
知らない間に補充されていた。
↓変換↓
甘飴甘味が知らない間に狙われていて、
甘飴甘味が知らない間に助かっていた。
こ、これだっ!!
この番外編ができた瞬間である。




