エピソード19経験の差
「あぁん?
1人で俺の相手をするつもりかぁ?
小僧、……いや、お嬢ちゃんか??
お前、、、どっちだ???」
敵の1人『ロック』がそう言いながらも
気付かれないようにこっそりと全身に気力を込めて
気を練り溜めていた。
シャウラが男か女かは正直どちらでもよかったのだ。
この男の狙いは、
会話を長引かせることで
自らの気を溜める時間を稼ぐことが作戦なのだから。
……なんとも強かな作戦ね。
「ふっ……オレは女だぜ。
気でも溜めているのか?
いいぜ、準備ができたらいつでも来な。
ちなみにお前らの動きは"見ていた"」
そんな作戦もお見通しと言わんばかりに、
敵を挑発する青い髪の女の子『シャウラ』
「あぁ?
ずいぶん余裕じゃねーかぁ。
気を溜めてることを気付かれたのはちと、
驚いたが、、、
それに"見てた"だとぉ??
見てたのならなぜ助けなかったぁ
強がるなよ、
本当は怖くて動けなかっただけなんだろぉ?
仲間が倒されてるのを
黙って見てた薄情者がぁ!
そんな薄情なやつに遠慮はいらねぇよなぁ!!」
気力が溜まったのか、
敵の男は物凄い速さでシャウラに向かって突進してきた。
「どうだ!このスピード!!
気付いていたなら阻止しとくべきなんだよなぁ!
マヌケめ!
会話をしながらも戦闘に繋げる。
これが『経験の差』ってやつよ!」
男は高速肉弾戦車と呼んでもいいほどの
圧倒的な圧力を放っていた。
「ふっ……経験の差、っねぇ、、、」
シャウラは不適な笑みを浮かべては、
片手に持っている鋭い短剣を顔の方まで上げて
強く握り締めた。
……次の瞬間!!!
蒼い陽炎のような"残像"が、
シャウラから現れたと思ったら
突進してくる男の横っ腹を
すれ違いざまに切り裂いたのだ!!
鋭い短剣の光と蒼い残像が混じり合い
敵に向かって一直線に『蒼い一閃』を
綺麗に描いていた。
「は、はぇぇ……ぐはっ、、、」バタッ
敵の男のロックはドサッっと地面に倒れた。
「なにっ⁈
ロックがやられただと⁈
(な、何者なんだぁあいつは?
し、しかし"俺たち"にはまだ切り札が……)
もう1人の敵の男『ジップ』が後ろに下がり、
呪文の詠唱をはじめた。
「ふっ……させるかよ」
シャウラがもう1人の敵も始末しようと動き出した
……が、
ジップ「ニヤリ」
敵のジップの広角が上がった。
瞳からは「かかった!」っとでも
言っているかのような目をしていた。
ーーピタッ。
シャウラ「⁈」
動き出したはずのシャウラだったが、
なぜかピタッと身体を止めている。
まるで氷にでも閉じ込められたかのように、
その場から動こうとしない。
無防備に止まっているシャウラ。
呪文の詠唱を終えたジップは
そんなシャウラに容赦なく魔法を放った!!
ーーゴォォォォ!!!
でかい炎の塊がシャウラに向かって飛んできている!
奇妙にもシャウラはその場から動こうとしない
いや、
なぜか"動けない"のだ。
「ぶははははっ!!!バカめっ!!!
謎が解けないまま、
そこで大人しく喰らっとけや!!!
これが本当の『経験の差』ってやつよ!!」
シャウラ「くっ、、」
甘飴甘味「シャウぴが危ない!」
甘飴甘味もとっさに炎の塊の魔法を放ってみた。
敵の炎の塊の魔法を
自分も炎の塊の魔法を出して
「相殺させよう」っと、
そう目論見を立てたのだ。
……が、
シャウラにとっては
甘飴甘味の放った魔法は
結果として、
あまりにも酷い仕打ちとなってしまうのだった。
甘飴甘味の放った魔法は
敵の炎の塊を相殺するどころか、
敵の魔法を飲み込んで
『さらにデカくなった炎の塊』として
身動きが取れないシャウラを襲ったのだ。
もう一度お伝えするわよ。
甘飴甘味の魔法により
『さらにデカくなった炎の塊』が
シャウラを襲ったのだ。
シャウラ「うっ嘘だろっ⁈」
いつもクールで冷静なシャウラだったが
この時だけは顔を引きつらせてドン引きしていた。
シャウラ「ぐわぁぁぁぁぁ!!」バタッ
シャウラは敵の魔法を見たときは
これならなんとか耐えれそうだと思っていた。
しかしだ。
敵の魔法が、
いきなり誰かさんのおかげでパワーアップして
想定の範囲外の
さらに予想以上の威力となり、
それをまともに喰らいダメージを負ってしまった。
シャウラは当然のごとく倒れては気絶した。
甘飴甘味「……」
甘飴甘味「よ、よくもシャウぴやみんなを!!」
甘飴甘味は顔を真っ赤にさせながら、
敵のことを指差しながらそう言っている。
その顔の紅潮は、
怒りからくるものなのか、
それとも恥ずかしさからくるものなのかは
本人しか分からないものだった。
……おそらく後者よね。
アカベコ「おいっ。」
アカベコがきっちり90°になるよう肘と手を使って
ツッコミを入れていた。
まるで「人のせいにするな!」とでも言いたそうだ。
それをハッキリと言葉にしないのは、
自分の安否を心配したからかも知れない。
……そう、
アカベコは
「次は自分の番なのでは⁈」っと、
仲間であるはずの
このピンクの髪の女の子
いや、
魔王に対して少なからず恐怖しているのだった。
『次回!
「目撃者は死あるのみ!よね?♪」
主人公にあるまじき発言⁈
ピンクの髪の女の子は無慈悲にも
殺戮マシーンと化す!!』




