エピソード14転送された生徒たち①
ーーパァァァ!
「きゃっ!」
↓ヒューーーー↓
先ほどまで桜の木があり
綺麗な景色の平原にいたはずなのに、
眩い光に包まれたと思ったら
今度はいきなり景色が変わり、
薄暗い部屋の真上へと転送されて
いきなり下へと落下していた。
ボロボロなシャンデリアがあった
いたるところに蜘蛛の巣や埃が溜まっていた
ーーボフンッ。
甘飴甘味「びっくりしたぁ!」
魔法陣の罠に引っかかり、、、
……訂正、訂正。
魔法陣の罠に"自ら突っ込み"そして転送された先は
薄暗く、
そしてだだっ広い部屋の真上だった。
当然のごとく下へと落下したのだが、
下に何か柔らかい物体がクッションとなり、
ピンクの髪の女の子は無傷で済んでいた。
甘飴甘味はその柔らかい物体に腰掛けながら
周りの状況を確認した。
「(ここどこだろ?
他のみんなは無事かなぁ
みんな無事だといいなぁ……)」
こんな状況にも関わらず、
他のクラスメイトたちの安否を気にする優しい女の子
そんな女の子がいる部屋を詳しく説明するとしよう。
だだっ広い部屋は薄暗く
ボロボロになっている壁や窓からは
ほんのちょっぴり日差しが入ってくるぐらいの
明るさだった。
まるで廃墟とかしたお城のような場所に
転送されたかのようだった。
ピンクの髪の女の子は
周りに
誰かいないか念入りに辺りを見渡した。
「!」
(あそこに誰か倒れてる⁈
……ん?
あれは寝てるのかなぁ?)
部屋のすみっこで寝転がって
こんな場所でも本を読んでいる女の子がいた。
その姿を見て、
甘飴甘味は閃いた。
とゆーか、
頭の中で とある人物を思い描いていたのだ。
魔王城みたいな場所
寝ている女の子
その答えは……
「『スヤリス姫』!絶対そう!♪」
甘飴甘味は自信満々にそう答えた!
……『魔王城でおやすみ』に出てくる
お姫様のことを言っているのね?
きっとこの作者さんはコラボすることを
切に願っているのね。
最近は『葬送のフリーレン』が好きで、
単行本を買い出したくらいハマっているらしいわ。
この二つは同じファンタジー作品の仲間だと。
この作者さんは勝手に思っていて、
勝手にコラボすることも企んでいるみたいだからね。
……CMはこのくらいでいいかしら?
もちろん
甘飴甘味と
アホな作者さんの予想は、
『あなた様』のご期待通りに外れていたわ。
「……私は拐われたお姫様じゃない」ボソッ
こちらを振り向き
そして起き上がっては、
なぜか体育座りをしている。
ボソッっと話しかけてきた黄色い髪の女の子。
この薄暗い部屋の中で
本を読んでいた人物の正体は、、、
そう、
同じクラスメイトの『精霊使い十六夜』だった。
「十六夜さんやん!
ちすちす!♪」
クラスメイトを発見し
元気よく挨拶する甘飴甘味。
「……同じクラスメイトだし、
呼び捨てでいい」ボソッ
無表情でそう返した十六夜
甘飴甘味「じゃあ"いざっぴ"ね♪」
十六夜 「(いざっぴ⁈)」
ピンクの髪の女の子、
甘飴甘味は
無邪気な明るい笑顔で
十六夜のあだ名をつけてあげた。
黄色い髪の女の子
十六夜は
一瞬だけ目を大きく見開き驚いたが、
すぐさまいつもの無表情な顔へと戻った。
すると、、、
「オレっちの背中が
居心地いいってのはわかるがよぉ〜
そろそろどいてくれると、
オレっちが登場できるんだが?」
甘飴甘味の地面がしゃべった!
いや、違うわね。
甘飴甘味の下敷きになっていたのは、
『料理人見習いの悪田わるぞう』だったわ。
甘飴甘味「ご、ごめん!
全然気付かなかった!
でもおかげで助かったで♪
ありがとうね♡」
甘飴甘味の明るく可愛いらしい声に
悪田わるぞうは少し照れていた。
「ヤンキーは硬派だ」と自分に言い聞かせ、
平然とした顔に戻って
パンッ、パンッと、
ご自慢の一張羅のような
そんな感じの服をはたいて
埃をはらってみせた。
「それにしてもここはどこだ?
ワルのオレっちでもまったくわかんねぇ」
……ワルは関係ないと思うわよ?
わるぞうは
しばらくキョロキョロと周りを見渡していたが、
甘飴甘味が魔法使い見習いだと思い出した。
「そうだ!
甘飴甘味よぉ
オレっちワルだからよぉ
これからお前をこき使ってやるぜぇ
お前に仕事を与えてやるよぉ
〈探知魔法〉か〈探索魔法〉を使って、
他にクラスメイト達がいないか
そして
ここはどこなのかを確認させてやるよぉ」
頭がリーゼントでヤンキー姿をした わるぞうが
そう言った。
……ようは「魔法を使ってこの場所を調べてね」
ってことらしい。
この男子生徒は『ワル=偉そうにすること』だなんて思ってないわよね?
甘飴甘味「ワルちゃんごめんなぁ……
かんみね、
攻撃魔法しかね、
使えないんだぁ……」
そうピンクの髪の女の子は
申し訳なさそうに悲しい表情をしていた。
わるぞう「(わ、ワルちゃん⁈)
……そっ、それなら仕方ねぇなぁ。
みんなでこの廃城を探索するか!」
『いつも元気で明るい甘飴甘味』が、
悲しい表情をしている……
それだけで悪田わるぞうにとって
居た堪れない気持ちになっていたのだ。
おそらくクラスメイト全員がそう思うだろう。
十六夜「……私できるよ?」ボソッ
『『できるんかいっ!!』』
甘飴甘味とわるぞうからのツッコミが入った。
黄色い髪の小さな女の子 十六夜は、
目を閉じてボソボソと呪文の詠唱をはじめた。
それはとてもとても小さな声での詠唱だった。
十六夜の囁くような詠唱が終わった。
ーーポワッ。
なんと!
地面から小さな『土の精霊』が現れたのだ。
『土の精霊』は十六夜の耳元まで飛んできて
なにやら内緒話でもしているかのように、
コソコソと十六夜の耳に言葉を残して
すぐにまた地面へと帰って行ってしまった。
「精霊さん可愛いかったね♪」
甘飴甘味は精霊の容姿を褒めていた。
「んで?
精霊はこの場所が何処なのか教えてくれたのか?」
悪田わるぞうがヤンキー座りをしながら
そう聞いてきた。
十六夜は小さく頷き、
教えてもらった情報を2人にも伝えるべく、
ボソっと喋りだした。
「……このお城はね。
12年ほど前に【魔獣王】によって
滅ぼされたお城なんだって。
場所はーー」
甘飴甘味「え⁈」
悪田わるぞう「嘘だろ⁈」




