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いつかきっと

 「はぁ…」

 ふと、深いため息がこぼれる。空が白み始め、何年も変わらない生活に、自分が何をしているのか分からなくなる。

 友達はゼロ。会社では仕事以外の私語はなし。無口の自分に話しかけてくる変わり者など、どこにも存在しない。

 夕焼け空を横目に、帰路に着く。

 「いでっ!」

 やわらかく、大きな壁にぶつかってしまったようだ。ぶつかった衝撃で、尻もちをついてしまったが、幸い大きなケガは見当たらない。

 (あれ…やわらかい…?)

 ふと見上げると、髪は輪ゴムで雑に結ばれており、ヨレヨレのTシャツ、そして、丈が少し長いジャージに、草履といった、いかにも怪しい男性がそこに突っ立っていた。どうやら壁ではなく、やけに図体がでかい男性にぶつかってしまったようだ。

 (あ…謝らなきゃ…だよな…?)

 俺はずっと閉じていた口を開けた。

 「あ、あの…すみません…」

 口からでた言葉は弱弱しく、今にも消えそうな程小さな声だった。

 「……」

 勇気を出して振り絞った声は彼には届かなかったようだ。

 仕方なくもう一度声をかけてみる。

 「あの…!」

 「…誰、おまえ」

 無表情で問い返してくる。

 「え、えっと…大豊(おおとよ) 純一(じゅんいち)と申します…。先ほどはぶつかってしまい、申し訳ありませんでした…」

 「じゅん…いち……?」

 いつものコミュ症がでてしまい、語尾が小さくなる。

 一言謝罪した後、俺は、軽くお辞儀をし、その場を立ち去ろうとしたときだった。

 「待って!純ちゃん!」

 腕をぐっと引き寄せられ、握られた手首から少し痛みを感じる。そしてなぜこの男はこんなにも真剣な顔で俺を見つめているのか疑問に思う。さっきの無表情が嘘のようだ。

 「あの…手、痛いんですけど…」

 彼は「え?」と言った後、慌てた様子で離してくれた。

 「ご、ごめんね。大丈夫?痣になってたりしない?」

 「平気ですけど…」

 急なタメ口に苛立ちを覚える。

 (てか、純ちゃんって…初対面のはずなんだけど)

 この男の言動に調子が狂う。さっさと家に帰って、シャワーを浴びたい。一日のストレスと汗をシャワーで流したいと内心強く思いつつ、疑問を口にする。

 「あの、私たち初対面ですよね…?」

 「え?」

 彼は心底驚いたのか、目を見開いてこちらを見ている。

 「俺だよ?純ちゃん、覚えてない?」

 彼はそういうと、小学校の頃同じクラスだった「北野 裕也」(きたの ゆうや)だと名のった。

この作品は、ほんの一部だけです。今後続きを出したいと思っています。

少しでも興味を持ってもらえたらうれしいです!

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