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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

イービル・ナイト 《絶望少女》

作者: ゴリ恵

「あのっ」


「。。。」


「あのっ、、、おねぇさんっ!!そこのっ!!

麗しいおねぇさんっ!!」


「。。。」


「え、あのぉっwww」


「。。。」


「。。。」


「。。。はい。。。?」


「あ、いやっ、、、

すみません、

なっ、なにか、落としましたよ。。。?

ほらっ、これ。。。そこで。。。たった今。。。

んはぁっwwwww」


「。。。捨てたんです。。。」


「えっ、捨てた、って。。。これ。。。

え。。。?。。。わざとっすか。。。?

こんな、綺麗な玉。。。え、なんすか、これ、

ビー玉っすか。。。?違う。。。?

なんだろう、よく、わかんないっすけど。。。

いや、ほら、

すげー、綺麗じゃないっすか?w

えーと。。。うん。。。綺麗な玉じゃないですかw

綺麗だw

捨てるには、惜しくないっすかね。。。?

うん、何も、捨てなくても。。。」


「要りません、もう、捨てたので。」


「あっ、えっ、いや。。。

ちょっ、ちょちょちょw まって、まってまってw

だーめだってw

捨てちゃダメだってw

路上じゃん?路上ですやん、ここ!!

いや、たしかに、まぁ、

まるで人気のない、薄暗い路上ですけど!!

うすよごれて、ダストボックスみたいなオーラ、

ありますけどっ!!

ネズミとか、Gokiとかが這ってそうな雰囲気、

ありますけどっ!!!

今にもヤバイおっさんが

道の脇から出てきて、すかさず襲ってきそうな、

深夜のスラム街てきな

ニュアンス?オーラ?を感じる、

すげぇー、おぞましい路上ですけどっ!!」


「。。。?」


「えーと。。。

いや、ほらっ。。。そもそもの、、、アレだ、

路上にモノを捨てる、って、

よろしくはない、ですやん。。。?

良いか、悪いか、で言うたら、

まぁ、、、良くは、ないですやん。。。!?

私有地ではない、ですやん。。。?

ここ、貴女の。。。

ね。。。ほら。。。???

考え直して。。。持ち帰って。。。ほら。。。

これ。。。拾ってあげたから。。。」


「。。。」


「。。。」


「なんなんですか、あなた。。。」


「えっ」


「大分、気色が悪いんですけど」


「えっ、えと。。。あー、まぁ、

そうっすよね、いきなりね、こんな、ね。。。

確かに、ね。。。!!

う、うん、話しかけてきて、ね。。。

なんか、ごめん、ごめんね。。。」


「何者なんですか、あなた」


「。。。あ、、、あーっ。。。

いやっ、僕は、そんな、決して、

怪しいものなんかではなくっwww」


「。。。」


「いや、ちょ、ちょっと、ね。。。

日課の、ウォーキングをね。。。してたんですわw

毎日、日没の前くらいに、

ここらへん、歩いてるんですわ、ひたすらにw

いや、ほんとw

その、プロセスっ!!

道中!! おわかりっ!?

はい、その途中、今っ、!!

たまたま、あなたに、出くわしました!!

普段は、ひとっこひとりいない、

この、薄暗い路地裏、

昼夜問わず、薄暗い、光も注ぎ込まない、

退廃した、この、不気味で、薄暗い、路地裏!!

そこで、

あなたの後ろ姿を、見つけましたのっ!!

華奢で、儚げな、後ろ姿をっ!!

加えて、なんか、歩きながら、ビー玉のようなものを

ノールックで道脇にポイっと投げ捨てるのを

見ました、見てしまいました、

はい、ただ、それだけですのっ!!

べ、べつに、ストーキングなんて、するつもりはっ」


「。。。話が飛躍しすぎて、よくわかりません。

頭、沸いてるんですか」


「うへへっw」


「いや、ごめんなさい、本当、シンプルに、怖いんですけど」


「あーっ、いや、すみません、

不快感を与えたなら、ごめんなさい。。。。。

ただ、えーと、

一旦、あれだ、僕の素性とか、

このシチュエーションの説明とかは

置いといて、スルーして、、、」


「?」


「とっ、とにかくっ、、、

これっ、この、、、玉っ!!!ほらっ!!

まずは、この話っ!!!

これが、先決っ!!。。。じゃないと、

次に進めないっ。。。」


「。。。」


「なぜ、捨てたんです。。。?」


「。。。」


「そもそも、コレは、一体、何なんです。。。?」


「。。。」


「」


「。。。っ!?」


「ふくくっ。。。。。wwwww」


「。。。。。ッッッ!!!!?」


「ふっくくくっっっwwwww」


「」


華奢で、儚げな、


黒髪ミディアムボブの少女は、突如として、


泣き出してしまった


男の前で


その場に 小さく うずくまり、


泣き崩れてしまった。。。


ヒスヒスッッッ と。。。


F#m のような甲高い、


悲痛なうめき声をあげながら。。。


泣き続けた。。。


「あっ、いやっ、なんか、、、ごめんっ、、、」


「ヒスッwwwヒスヒスヒスッッッwwww」


「なんか。。。触れちゃいけないことだった。。。?」


「ヒッスッッッwwヒスヒスヒスッッッヒスヒスヒスッッッヒッスッッッwwwwww」


少女は泣き止まない


男は、おろおろ、


どうしたものか、と、たじろぎ、あわてふためき、


キョドりの限りを見せた。


眼前で小さくうずくまる少女


辺りには、人の気配はない


ゴーストタウン


細く長い、暗がりの路地裏。。。


薄く霧が立ち込めた


冷徹な、寂れた路地裏。。。


。。。


男は、ゆっくりと、しゃがみ、


優しく、少女の肩をフォールした。。。


両の腕で、優しく、出来る限り優しく、


フォールダウンした。。。


。。。


やがて、少女は、心のゆくまで


泣きじゃくり、


男の逞しい腕の中で、


ほんの少し、落ち着きを取り戻した。。。


。。。


「。。。そろそろ。。。聞かせてくれないか。。。」


「...ヒッス..ヒッッス...」


「あの玉は、なんだったんだい。。。?」


「。。。ヒッス...あっ。。。あの玉は。。。」


「。。うん。。。」


「形見なのっ。。。ヒッスッ...私が、最も、

愛したひとの。。。」


「はぇーっ。。。」


「もう、いなくなっちゃったの、この世界から。。。

それで、最期の、お別れのときに、

貰ったの。。。その人の。。。その。。。アレを。。。」


「。。。あっ。。。。。」


「ま、まぁ、でも、いっぱい、持ってるの。。。

最愛のひと、たくさん、いるの。。。」


「フッwww」


男は、精一杯に首を反らした。


「とりあえず、もらってるの、玉を。。。

お別れするときにはね。。。」


「。。。あー。。。。。」


「それで、コレクションしてるの、

そして、毎日、綺麗に、磨いてるの、

その玉たちを。。。」


「。。うんうん。。。。」


「で、もう何年間も、磨いてたんだけど、

あの玉だけには、なんか、もう、飽きちゃって、

捨てようと思って。。。」


「あー、なんか、色々、あったんすね~。。。?」


「うん。。。今は、深くは、話さないけど。。。

とりあえず、さっき、捨てた、あの玉だけは、

もう、どうでもよくなっちゃって。。。」


「。。。あんまり、踏み込まない方がいい。。。?」


「うーん、べつに、話してもいいんだけど。。。」


「。。。傷跡を抉られるようで。。。?」


「うん、いや。。。」


「そうか。。。」


「。。。なんか、もう、磨く価値も無いのかな、って。。。」


「。。。それは、どうして。。。?」


「。。。」


少女は表情を曇らせた


喰い気味に的確にレスポンスしていたが


急に曇らせた


曇らせてしまった


。。。


男は、慣れない女性との会話に


ひたすら たじろぎ、


無い知恵を振り絞り


小さな脳みそをフル回転させ


辿々しくも


必死に優しい言葉を絞り出した


「ご、ごめん、、、なんか、色々と、

思い出させちゃったかな。。。

ほんと、ごめんね、なんか、今日は、、、うん。。。」


「も、もう、いいの。。。」


「。。。えーっと。。。あれだ。。。

今日のところは、もう、帰るね、オジサン。。。w

えと、、いつも、このへん、散歩してるの。。。?

この時間。。。?

あー、いや、まぁ、いいや、気を付けてねw

ほな。。。」


男は、すっくと立ち上がると、


なわだか、申し訳なさそうに、


ヘコヘコと、及び腰で、


そそくさと、退散、、、


その場を立ち去ろうとした。。。


。。。


「まって」


。。。


《《《《《その刹那》》》》》


。。。


ザッッッ!!!!!


「ッッッ!!?」


「ドゥギュシュッッッ!!!!!」


「。。。くはっあっ!!?。。。」


「。。。」


ドサッッッ...


。。。


「。。。」


「。。。」


「。。。」


「。。。ククッ...悲しいなぁ。。。悲しいなぁっ。。。」


「イーッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッハッッァハッハッァッハァッ!!!!!!」


。。。


満月の夜。。。


。。。


風も吹かない。。。


。。。


一縷の光も射し込まない。。。


。。。


寂れた路地裏には


儚げな少女が独り


佇んでいた。。。


。。。




























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