スキルで小銭稼ぎ!
スキル確認回、続きます。
よし、生活費を稼ぐためにスキルで何ができるか方法を考えるぞ、よし、部屋にある椅子の値段が分かるかやってみよう。
「ねぇ、グルグル。この椅子のマールデン王国での値段を教えて。」
『平均すると銀貨5枚程度です。』
やった、物の値段は分かるんだな。
じゃあ、次は、「ねぇ、グルグル。この椅子を、この半径5㎞以内で、最も高く買ってくれる店を教えて。」
『王都商業地区・南通りにあるカルフォーネ商会です。』
どこか高く買ってくれるかも分かる。
よしよし、次は、「ねぇ、グルグル。マールデン王国の特産品を教えて。」
『アルバ辺境伯領に存在するミスリル鉱山から産出されるミスリルのしずく、です。』
次、「ねぇ、グルグル。ミスリルのしずくを最も安く売ってくれる店といくらで買えるかを教えて。」
『アルバ辺境伯領にあるアルバ鉱山商会です。金貨1枚です。』
「ねぇ、グルグル。ミスリルのしずくを最も高く買ってくれる店といくらで売れるかを教えて。」
『ドラッケン帝国内にある、帝国軍魔素材買取所です。金貨5枚です。』
帝国ねぇ、なんか怖そうな響きだし、パスだな。
「ねぇ、グルグル。ミスリルのしずくをマールデン王国内で最も高く買ってくれる店といくらで売れるかを教えて。」
『マルス商業地区・東通りにある、エリフォ商会です。金貨3枚と銀貨2枚です。』
うん、これで行商人になることは可能かもしれない。国が違えば、価格も違うし、都市が違っても価格も違うはず、首都マルスの中でも、行商人らしき背負子を担いだ人は見かけたしな。あとは、行商の許可って必要なのかも調べる必要があるな。
でも、まずは元手となるお金を増やさないとね。同じ要領で、首都マルスの中で、価格差のある商品を探さないとな、軽くて、かさ張らなくて、それなりの値段がするもので、と考え込んでいると、部屋をノックする音が聞こえてきた。
コンコン、「お客さん、もう真昼ですけど、まだ出発しないんですね、だいたい旅の方は、朝早く出るものですから。もう一泊お泊りになるんですか?」
女性の声だ、ルルさんだな。
ドアを開け、「ええ、もう一泊します。」と答え、ルルさんに銀貨を支払うと、
「では、晩ご飯が、朝食と同じ広間で出されますので、夜になったらおいでください。」と言われた。
晩飯か、朝のスープやパンも美味しかったんだけど、やっぱり現代人だから、旨味調味料がガッツリ入っるジャンクな料理じゃないと、味が単調に感じるんだよな。
そうだ、オレは、ルルさんに話しかけた。
「私は、ブルースと言います。朝食、美味しかったですよ。調味料や香辛料は、何を入れているんですか?」
「あら、私の名前はルルと言います。褒めていただいてうれしいですわ。朝食は、調味料は粗塩だけですよ。香辛料は、マルスでも、コショが人気ですけど、最近は値段が上がっていて、一瓶で銀貨1枚もするんですよ。」と言われた。
コショ、コショウのことだな、きっと。
よし、香辛料で小銭を稼ぐか。グルグルさんに確認すると、マルス内で一番安く買える店が銅貨5枚、一番高く売れる店が銀貨1枚だった。
次は、服装だな、異世界風の服が目立つので、近所の服屋で、この世界の町人風の洋服と、冒険者が持つような背負い袋を、銀貨5枚で買って着替えて、日本での服や持ち物を背負い袋に放り込んだ。
日本での服や持ち物は後で売れるかもしれないから取っておこう。
持ち物は、ケータイ、財布、実家に帰省する予定だったから、着替えとかは持ってなかったが、ポケットにガムとアメなんかが入ってるな。
その後、グルグルさんに、商店の場所を聞きながら、3時間くらいかけて、金貨5枚でコショを100瓶買って、その100瓶を金貨10枚で売った。
ヨシ!これで、金貨5枚が稼げたな。小さな商売だが、異世界でも自力で何とかしたことに意味がある。そういう意味では、大きな一歩だ。
これで、他にも商品を販売していけば、金銭的な目処も少しはつきそうだ。
金銭的に余裕ができれば、この宿に5泊しても、いいかも知れない。しばらくは自分で何とかできそうだ、と思ったオレは、ほかのスキルを試す心の余裕も出てきた。
次は、あのスキルを試してみよう。