勇者召喚されたが、雲行き怪しい!
思いつくままに書いてます。温かい目で見てやってくださいませ。
「あー、なんでこんなことに、、、」
オレの名前は葛城洋平、同じ部屋にいる会社の同僚で同期の神田太郎と、これからどうするかと、お互いを見てため息をついていた。
窓の外には、中世ヨーロッパのような街並みが並び、城の1室からその景色を眺めている。
そう、2人で異世界召喚されてしまったのだ。
オレたちは地方都市に転勤になったシステムエンジニアの同期で、帰省を兼ねて2人の出身地である東京に買い物に行こうと乗った飛行機に落雷があった、
「ひっ!」と思った、次の瞬間に、
「わがマールデン王国をお救いください!勇者様!」
と美しい金髪碧眼のドレスを着た女性が、目の前に膝まづいていた。
周りを見回すと、中世ヨーロッパ風の大理石調の部屋に、ローブを着た大勢の魔術士風の男がいる。喚び出された魔法陣の上にはオレと太郎の他に、高校生と思われる制服を着た女性2人と男性1人がいた。
金髪碧眼のドレスを着た女性は、名前がアイーザ、召喚を行った国の主席宮廷魔術士で、この世界では魔族が、人間よりも魔力が高い個体が多く、人間は異世界から召喚勇者を喚び出して、魔族に対抗していること、召喚勇者は特殊なスキルを持っているので、この世界の住人が使えないスキルが使えることがあるなどを教えてくれた。
それにしても、美人だな、ハリウッド女優を思い出すよ。
そんなことを思っていると、
「では、皆さんのスキルを鑑定しますね。」
アイーザさんがそう言って、城の来賓室に案内され、2人でスキル鑑定を待っているのだ。
窓の外を見ながら「家、帰れるのかな?」と呟くと、
太郎は「喚び出されたんだ、戻すことも可能なんじゃないか?ただ、いきなり喚び出して、魔物だか魔族だかと戦えって奴等だからな、とりあえず様子を見て、言うことを聞くフリをして、情報を集めないと。あー、なんか小説みたいに、チート能力とかあればいいけど、なかったら、どうなるんだろう、、、死ぬのかな、、、」と言った。
「あー、なんでこんなことに、、、」である。
だいたい銃も触ったことが無ければ、格闘技も習ったことが無いのに、魔族と戦う?ムリムリ、異世界召喚ってどんな基準なの?って思うよね。
そうこうしているうちに、アイーザさんがオレたちを呼びに来た。
鑑定の間は、白いカベに囲まれていて、中央に銀色の玉があって魔力を通すと、魔力を通した者のスキル名が浮かぶ鑑定玉というものらしい、まず高校生たちが、指示通りに手を触れて、アイーザさんがその手の上から高校生たちの魔力を引き出して、玉に送っているようだ。
アイーザさんが鑑定玉を確認して、
「さすがは勇者様方です!能力値も全て700以上、スキルも聖戦、調伏、氷魔法上級、炎魔法上級、風魔法上級、土魔法上級!わが国の騎士でもこれほどのステータスを持つものはいません!」と満足げに叫んだ。
高校生は、まんざらでも無さそうに、「おお!」「やったー!」などと言い合っている。
太郎はその様子を見て、「まあ、能力が高くなければ、召喚なんかしないんだし、おれも大丈夫だよな、、、」と言い聞かせるように呟いた。
次は、太郎の番だ、うん!?なんだかさっきの高校生と違って鑑定玉が強烈に光ってるぞ、、、鑑定玉が、爆発した!?
アイーザさんが大声で「なんということでしょう!鑑定玉が壊れるほどの力をお持ちなのは、240年前に魔族の王を滅ぼした、伝説の勇者様以来です!スキルも先ほどの勇者様のスキルの他に、聖剣技と勇者魔法もお使いになれるようです!わがマールデン王に、すぐにお会いいただけないでしようか!」と叫んだ。
おお!太郎スゲーな!でも、なんかオレ忘れられそうな流れかな?と思い、「あの、アイーザさん、次は私の番ですが」と声を掛けた、
すると、アイーザさんが、「そうでしたね、大変失礼いたしました。ただ、鑑定玉が壊れてしまったので、簡易の鑑定玉になりますが、よろしいでしょうか」とのこと。
こっちは、簡易かそうじゃないかの違いなんて分からないんだから、当然ハイ、だよ。
それで、オレも鑑定玉の上に手を乗せて、アイーザさんがオレの手の上に、手を乗せて、なんかすごい美人に触られるとドキドキするな〜、なんて思いながら鑑定して貰ったが、、、
アレ!?全く光らないな〜と思っていると、アイーザさんの顔がみるみる曇ってきた、コレはまさかの、、、
「あなた様は、能力値は70程度、武器スキル、魔法スキルもありません。村人と同程度の能力値です。」とアイーザさんが言った、
「エッ!?」オレは青くなった。