宇宙のDB
俺は、龍の玉ではないからな!
俺の名はDB。宇宙に住まう誰もが知っている、強靭無比で頑丈軽量の四角いヤツだ。
幾重にも重なった超硬多層構造の装甲を持っているから、痛々しい宇宙線や突っ込んできたデブリさえもはじき返せる。腹の中には、頑丈なプラスチール(プラスチックと鉄の合成素材)製の衝撃吸収材が詰まってモノを固定する。多少の隙間はあるが、それは中空装甲のようなものだし、超耐熱フィルムのシールで口を塞がれているから水も入らない。
だから100G加速のマスドライバーから射出されたって、惑星に向けた激烈な戦闘軌道降下をしたって、めったなことでは中身は壊れないんだ。めったなことではな!
そんな俺は、銀河のロジスティクスを一手に担う、あの有名な流通帝国に仕えている。俺のカラダにはその帝国の紋章――口の端を上げたようなそんなカタチの印がついている。
そして俺は銀河のどこへでも行くんだ! そこが熾烈な戦闘が行われている戦場のど真ん中だって関係ない。そういう契約なんだからな。
だが残念なことに、俺には自前の機動力が備わっていないんだ。だから、ブラックキャット、ヒキャックといった民間軍事輸送会社の宇宙船で運ばれるんだ。NEなんかでも運ばれるし、JPの方でも扱っているぞ。
そして、今日も俺はニヤリとしながら、皆のところに届くのだ。
え、俺の名前? DBは何の略だって? それはダンボ――――ベリベリベリ。
分かりにくいかな……AM〇Z〇Nのニッコリマークの段ボールです。
大物だと、結構ぶ『厚い』ので片付けるのが大変。