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勉強と探索と鍛錬の日々 13

ゴドリックは肉と相性が悪いという事なので、筋肉の形成に必須なタンパク質と鉄分は豆類と魚で補う料理を作っておいた。


人によっては激しく動き過ぎると食欲がなくなるという事もあるのだが、ゴドリックはそうはならなかったみたいで食欲は旺盛で安心した。


食欲が落ちる程に体力を削っても良い事は無い。


動いて、食って、寝る。


鍛錬にはこれが重要だからな。


食事を終えた後、ゴドリックは湖の水を浴びて汗を流していた。


「ゴドリック、少しここに俯せになって貰えるか?」


俺はそんなゴドリックを呼んで、魔物の毛皮製の敷物を取り出して床に敷き、それを指差して言う。


「む?構わないが何をするのだろうか?」


何をするのか分からない様子のゴドリックは俺に聞いてくる。


ティアリエも興味があるみたいで聞き耳を立てているのが見えた。


「マッサージだな」


「「マッサージ?」」


俺の答えを聞いて2人はその言葉に耳に馴染みが無いようで首を傾げていた。


「所謂、按摩と整体だな。激しく動いた後の体には色々と偏りが出てるから、それを整えて回復力を増強してやるって訳だ」


色々と無理をさせる以上、ケアは必須だ。


疲労が溜まらないように可能な限りリフレッシュさせる。


「按摩かー、聞いたことはあるけど実際に見るのは初めてかも。興味あるから見てて良い?」


「構わんぞ。まあ、見てて楽しい物でも無いとは思うが……それでも良ければ」


俺とティアリエがそんな話をしている間にゴドリックは既に俯せになって寝っ転がっていた。


「これで良いのだろうか?」


「おう。じゃあ始めるか」


先ずは整体。


ストレッチは訓練前と後に念入りに行っているが、自分で出来る範囲には限りがあるからな。


他力を使う事で解せる部分を徹底的に解していく。


腕を背中側に引っ張り上げたり、腰を捻ったり色んな体勢になってもらい、多少は無茶な姿勢になってる筈だから痛むはずなのだがオークという種族は痛覚が少し鈍いみたいで実に気持ち良さそうな様子だった。


凝りを解した後は、叩打、指圧、軽擦といった様々な手法で血流が良くなるように促す。


この段階に入ると、ゴドリックが寝てた。


慣れない事をして精神的にすり減っていたのは勿論、肉体的にもかなり追い込んだからな。


疲れていて当然だ。


俺がマッサージしている間に緊張が切れたのだろう。


見事にゴドリックは寝落ちしていた。


ゴドリックの寝息は静かで、正直言って、いつ寝たのか分からなかったが良い傾向だ。


休むのにも効率があるからな。


緊張が抜けている状態で深く眠れているのならば、身心の回復も捗る。


「ティアリエ、ゴドリックを寝台まで運ぶから手伝ってくれないか?」


「良いよ!重量軽減の魔術で良いよね?」


「ああ。頼む」


俺はティアリエに重量軽減の魔術をゴドリックに掛けて貰い、上半身を俺が、足をティアリエが持って彼の寝台まで運んで寝かせておいた。


「ねぇねぇ、シュラ君!」


「どうした、ティアリエ?」


「私にもマッサージをやってみて貰えないかな?」


「別に構わないが、結構痛いかもしれないぞ?」


ゴドリックは種族的に痛みに鈍感みたいだから整体とか指圧でも気持ち良さげにしていたが、ティアリエは感覚が鋭い分色々と敏感な気がする。


その辺は人によるとしか言い様が無いしな。


「構わないよ!痛いのは師匠の修行で慣れてるというか、そこまで壮絶には絶対ならないだろうし」


(俺が言うのもアレな気はするが、ティアリエの師匠ってどれだけ無茶苦茶だったのだろう?)


知りたいような、知りたくないような気分になりつつも、躊躇うことなく先程ゴドリックが乗っていた敷物に寝っ転がるティアリエを見て俺はそう思った。


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