勉強と探索と鍛錬の日々 8
「そうだ、ゴドリック君。『ついで』と言って思い出したんだけど、共通語と森人語を覚えてみないかい?今のままだと、ミラフィア君やエーゼル君とのやり取りに不便するだろう?」
確かにやり取りに苦労しているようには見えるが、全く伝わっていないという訳でも無いから急ぐ必要性は無いんだよな。
「助カル。是非、願ウ、シタイ」
「うん。じゃあ、言語学も追加しとくよ」
「宜シク、頼ム」
ゴドリックはティアリエに頭を下げていたが気掛かりな事がある。
「良いのか?言っちゃ何だが、現時点で色々と詰め込んでる状態だ。ゴドリックの負担が大きくなるぞ」
「構ワナイ。体力、自信アル。全テ手前ノ為ナル」
「覚悟は決まってるか。なら余計な口出しはしない。辛いかもだが頑張れよ」
「手前ガ望ンダ事。頑張ル、当然」
『俺は共通語も森人語も習得してるから関係ないな』と完全に他人事だったのだが……
「うんうん、良いね!ついでだし、シュラ君も言語学の勉強しようか!主要言語は習得してるけど、細かい種族言語についてはまだまだだし」
「えッ……!!?」
まさかのこっちにまで飛び火してきた!?
あのトラウマの日々が再びこんにちは?
「おうふ……」
想像しただけで頭が痛くなってきた。
「そう嫌な顔しないの!言語学は魔術の基礎中の基礎でもあるからやっといて損は無いんだ。知識は嵩張らない武器なんだよ!」
ティアリエの言う事は分かる。
分かるんだが、苦手意識ってのはそう簡単に克服できるものではない。
割と最近だったから尚更な!
「ねー、ティアリエ、シュラはどうしたの?」
俺達の様子を見ていて不思議に思ったのかミラフィアが聞く。
「シュラ君はお勉強があんまり好きじゃないんだよ」
合ってるが、正確じゃないな。
俺は外国語に関する勉強が嫌なだけだ。
それ以外なら割と何でも行ける。
「シュラ、お勉強はちゃんとしないとダメなんだよ!」
幼女に叱られました。
特殊な性癖を持つ極一部の方々ならご褒美なのだろうが、俺は一般的な成人男性なので完全に失態を曝しているだけであって、情けなさが込み上げて来る。
これはやるしかないか……
流石にここで拒むのは良い大人として情けなさ過ぎる。
いや、現段階でも十分情けないんだけどさ。
自らより堕ちる選択をする必要もあるまい。
「分かった。ただ、前回みたいに9言語一気にとかはやめてくれよ。確実に死ねるから」
冗談抜きで頭が痛くなったからな。
アレは。
2回目は勘弁して欲しい。
「シュラ君は大袈裟だなぁ。仕方ない、ゴドリック君に合わせて今回覚えるのは2言語で行こうか。取り敢えず、鬼人語と魔人語の2つで行こう」
減りはしたが、それでも複数なのね。
前々から思っていたのだがティアリエってばSなの?
いや、Sなんだろうな。
そうでなければ、あんなえげつない類の道具をポンポンと開発しないだろうし。
また頭痛に悩まされる日々が始まるのが確定しました。
「ねえねえ、ティアリエ。わたしも一緒にゴドリックのお勉強のお手伝いしたい!」
「良いとも良いとも!私も流石に森人語の方言とかには詳しくないし助かるよ」
女同士仲が良さそうなのは良い事なんだが、これミラフィアがここに通うのが確定の流れになってないか?
今のきな臭い状況だとここに通うのも危険だと思うのだが、下手に不定期に来られるより定期的に来る状況の方が監視の意味も兼ねて良いとも言えるから悩ましい所だ。




