勉強と探索と鍛錬の日々 6
姉木殿襲来の為、数日更新できないかもしれません。
ゴドリックが畑仕事を終えて昼時になるとミラフィアが来た。
まあ、予想できた展開ではある。
「ミラ、ココ来ル、危ナイ。エーゼル、心配スル」
ミラフィアが来ているのでゴドリックは片言の共通語で喋っている。
カルディア傭兵国の件もあるのでゴドリックは当然注意する。
「ゴドリックも心配性なんだから。大丈夫だよ、森の中のエルフは簡単には見付からないんだよ」
が、ミラフィアは聞き入れるつもりは無いようであった。
「そうなのか?」
「森の狩猟民族だからね。エルフは森の自由魔力子と親和性が高いから、森の中においてその潜伏力と索敵力は私でも侮れないね」
「それは凄いな」
ティアリエがそう言うとなれば俺からしたら凄いとしか言い様が無いな。
「ダガ、ミラ戦エナイ。見付カル、終ワリ」
「うっ……!」
ゴドリックの言葉は正鵠を射たようでミラフィアが押し黙ってしまった。
「見付からなければ良いのよ、見付からなければ!」
「それは危ういね。ミラフィア君、見付かった時の対処はどうするつもりなんだい?」
「逃げる!!」
ティアリエの問い掛けに対し、ミラフィア即答である。
割り切っているようで何よりだ。
「うん。それは正しい判断だね。だけど、逃げる為に何か用意はしているのかい?」
「へ!?用意?ええと、覚悟とか?」
「まあ、覚悟も必要だね。そうじゃなくて逃走を成功させるための手段を何か持っているのかって事さ」
「うーん、風魔術のよる自己加速ぐらいかなぁ……」
「速さは大事だね。だけど、加速した状態の君よりも森に棲んでる魔物たちは速いんじゃないかい?」
「うん」
「であれば見付かった時点でほぼアウトだ。それならどうするのかという話だよ」
「うーん、何とかして足を止めさせる?」
「そう!その通りだよ!どんな手段でも良いから足を止めさせるのが重要だ!追いかけっこで勝てないのなら追いかけられない状況を作ってやれば良いって事さ!」
ミラフィアの答えを聞いて、ティアリエは満足気な表情を浮かべる。
「具体的にはどんな手段が考えられる?」
「そりゃあ、大規模なのから小規模のものまで幾らでもあるよ!今回の場合はミラフィア君も使えるだろう手段という縛りで行くと……足を引っ掛けて転ばせる、足を滑らせる、障壁で移動を阻害する、目と呼吸器を潰すぐらいは小規模の魔術でも出来ると思うわよ」
「最後が中々にえげつないな」
目と呼吸器潰すって想像しただけで痛いわ。
「そりゃあ、命懸けで逃げる訳だ。多少はえげつないことだってするさ」
「そりゃ、ご尤もですわ」
捕まったら死亡のリアル鬼ごっこな訳だしな。
「特に目とかの感覚器官を潰すのは凄い有効だよ。探知の性能が下がる上にまともに行動できなくなるから」
「ティアリエ、それってどうやれば良いの?」
「色々あるけど、光と風の魔術で大きな光と音で目と耳を麻痺させる」
フラッシュバン、所謂スタングレネードだな。
「土の魔術で風に舞うぐらいの細かい砂を生み出して煙幕兼目潰し」
粉塵は目が痛い上に呼吸器にも何かと弊害が出る。
「風の魔術で相手の顔面周りの空気の排除、或いは有害物質を集中させる」
完全に窒息狙いだな。
「密閉空間なら火魔術で目立たない小さな火を起こして空気を有害なモノに変える」
一酸化炭素中毒かよ!?
しかも、どれも大規模な術が要らないって辺りが徹底してる。
「凄―い!ティアリエ詳しいんだね」
「まあね!私も物凄く弱っちくて逃げるしかなかった時期があったからね!生き残るために色々と工夫したものさ!」
だからこそ親身になって教えているんだろうなと分かるものであった。




