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勉強と探索と鍛錬の日々 3

「魔力循環は文字通り、体内で生成される魔力を体内で循環させる魔力操作の基礎だね。本当は最初に自分の中の魔力の知覚から始めるものだけど、シュラ君もゴドリック君もその段階はクリアしているみたいだしね」


まあ、そうだな。


『風竜玉』の制御訓練で自然と魔力の知覚は出来る様になってたな。


物凄く頑張って出力制御も出来る様になったぐらいだ。


「魔力循環は全身に偏在している魔力を全身対して均一に流して巡らせる操作になるよ。最初はなるべく均一に流れるようにするだけで良いから、頑張ってやってみて」


(『頑張って』とわざわざ言うって事は簡単ではないんだろうな)


と予想しつつも取り敢えずやってみる。


俺の中に存在する(コア)の部分で生成されて自然に巡っている魔力を全身に対して均一に流す……


「うわ……所々に魔力が流れにくい部分があるな」


「むう……均一にならん」


全身に流れる魔力を均一に整えようとするのだが、普段から多くの魔力が流れている部分はともかく、足先とか普段そうでもない箇所に関してはこう車線の数が減ったみたいな感じで魔力の流れが滞って均一にならないのだ。


俺もゴドリックも見事に苦戦を強いられていた。


「全身に張り巡らされている魔力回路には魔力を通しやすい個所とそうでない箇所があるからね。その差を解消する為の訓練が魔力循環って訳さ。要は魔力回路の魔力伝導を均一にする訓練と思ってくれて良い」


「成程な。普段魔力使わない箇所にも魔力を流す事で、魔力回路を押し広げる訓練って訳だな」


「その通りだよ!魔力循環が出来る様になれば、手からだけじゃなく足の裏側や背中とかを起点に魔術を発動するなんて事も出来る様になるし、身体強化の効率も良くなるよ」


それは非常に有用だな。


相手の意表を突けるし、不意討ち対策にもなる。


「魔力循環に慣れてきたら流す魔力の量を増やす、魔力を巡らせる速度を早くするといった訓練を繰り返して、魔力回路の強度と魔力の伝達力を上げていく訳なんだけど……この訓練に関しては終わりが無いともいえるね。それだけに継続してやり続ければより顕著な結果を生み出す事になると断言するよ!」


それはそうだろうな。


この手の継続が求められる訓練は積み重ねが物を言うからな。


「どれだけ元の魔力が大きかったとしても、魔力回路の強度と伝達力が弱ければ一度に引き出せる魔力の量は僅かなものにしかならないし、無理矢理出力を上げても魔力回路が傷付いてしまうだけという結果になる。だから、この訓練は面倒くさがらずにやり続けた方が良いとだけ言っておくよ」


そう語るティアリエは声色こそ明るかったが、実に真剣な様子であった。


まあ、そうだろうな。


これは重要な事だからな。


『基礎にして奥義』と言う訳だ。


その重要性は俺ですら理解できる。


例えば、10000のMPを持った魔術士と1000しかMPを持たない魔術士が居たと仮定しよう。


普通ならMPが多い方が凄いと感じるが、10000のMPを保有する魔術士は最大で100のMPを瞬間的に出力できるが、1000のMPしか持たない魔術士が最大500のMPを瞬間的に出力できるとしたらどうだろう?


求められる条件にもよるが、大抵の場合1000のMPしか持たない魔術士の方が広い対応力を有していると言えるだろう。


要は魔力循環とは、MPという魔力タンクからより多くの魔力を汲み上げる能力と精度を向上させる為の訓練という訳だ。


俺は核から汲み出した魔力を風竜玉に送り込む訓練は沢山したが、逆を言うとそれ以外は何もしていないので他の箇所の魔力回路の伝達力は脆弱であった。


共に同じことをやっているゴドリックは苦戦こそしているが俺よりも遥かにバランス良く循環できていると言えよう。


俺は風竜玉に通じる魔力回路を遮断しつつ、それ以外の全身に魔力を流すようにやっていた。


(手だけは比較的にマシだがそれ以外の所の流れは酷いな!)


自身の魔力を知覚できるからこそより強くそう感じてしまう。


(まあ、まだ始まったばかりだ。焦らずじっくりとやって行くしかないな)


結局、その日は慣れない魔力操作を行って俺もゴドリックも精神的に疲弊してしまったので、魔力循環だけを行ってティアリエの早朝魔術訓練は終わった。


ちなみにティアリエはここ10年以上、ほぼ常時魔力循環の訓練を行っているとの事で、改めてティアリエの凄さが垣間見えたというものであった。


本人は『ただの慣れ』だと言っていたが、その領域に至るまでどれ程掛かったのか想像すると空恐ろしいものでもあった。


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