ゴドリックの護りたい存在(モノ) 7
「取り敢えず、今日の所は当初の予定通り、森の中を案内して欲しいな」
「了解した。では、早速行くか?手前はいつでも行けるぞ」
「勿論!日が高い内に行ける所は回っておきたいからね!」
「行く前に聞いておきたいんだが、この森はどんな魔物が出るんだ?」
「動物系と虫系の魔物が多い。熊と虎、蟻と蜂、あと極稀に出現する木の魔物は注意が必要だ。と言っても手前1人でも十分やりあえる相手故、ティアリエ殿やシュラ殿にとっては問題にもならない相手であろう」
「シュラ君はともかく私は肉体的にはそんなに強くないからどう注意が必要なのか教えて欲しいな」
「蟻と蜂の魔物は個体としてみればそこまで強くないのだが数の暴力が脅威。巣の規模が大きいと数日間延々と戦う羽目になる事も珍しくない。酸や毒を噴射されると臭いがキツイので鼻が痛くなる」
「うわぁ……それは嫌だね。うん、強くなかったとしても純粋に嫌だ」
虫に集られるのは確かに嫌だな。
別に虫が嫌いとかそういう訳でなくても普通に嫌になるわ。
「ゴドリックはそれを体験してるのか?」
「4回程あった。正直、もう無くて良い」
「「だろうな(ね)」」
1回でも嫌になるだろうに4回もとは壮絶だ。
「でも、放置していたらその内エルフの里にも被害が及びそうだったので放置する訳にもいかなかったのだ」
遠い目をして語るゴドリック。
当時の事を思い出したようで半分目が死んでた。
相当辛い作業だったんだろうなと想像に難くない。
それで嫌でもやったのか。
凄いな、ゴドリック。
手放しで感心するわ。
「熊と虎の魔物は純粋に個体として強い。だが、強いと言っても手前が勝てる時点で2人には問題にはならないので割愛させてもらう」
まあ、ゴドリックが殴り合いで勝てる相手なら俺が負ける要素はないわな。
「本当に稀にだが出現する木の魔物は、森の木々に擬態して奇襲してくる。根を伸ばして手足を絡み取って、枝で串刺しにしようとしてくる。何より厄介なのはそいつの一部に肌が触れると気触れて物凄く痛痒くなる」
それはそれで嫌だな。
それ漆のトレントか何かなのか?
仮にそうでなかったとしても何らかの毒を持ってる感じだし、燃やすのは危ないかもな。
植物系の弱点は火という定番はあるが、ここは森の中だし森林火災とかも怖いから止めといた方が無難だろう。
「ふーむ、私としてはその木の魔物に是非とも出会ってみたいな。良い薬の材料が取れそうだし、樹木系の魔物の木材は何かと使い勝手が良いんだよね」
「分かった。前回遭遇した辺りまで案内する。しかし、滅多に出てこないので出会えないかもしれない」
「その辺りは気にしなくて良いよ。一度案内だけしてくれれば、後は足繁く通って自分で探しに行くから」
ティアリエは兎にも角にも行動派だからな。
本気で見つかるまで通い続けるだろう。
「虎はともかく、熊の魔物も出会ってみたいかな。熊系の魔物の内臓も薬の材料になるし」
「ちなみにどんな薬が作れるんだ?」
「STを回復させる作用が強いポーションとか、弱めの解毒剤、火傷用の軟膏、あとは胃薬とか、酔い覚ましとかかな?」
「結構使い道が多いんだな」
「その辺りは使う部位と調合次第だからね!私なら素材を余さず有効活用できるから全部作れると思うよ」
「じゃあ、ティアリエが使わない部分はゴドリックに献上かな」
「そうだね。私達ぐらいになると熊の毛皮とか骨とかで装備作っても使い道が無いからね」
「ホントそれな」
今の俺達の装備は風竜の素材を贅沢に使ったものだからな。
俺達に関しては弱い装備を今更作る意味が無い。
だが、ゴドリックはそうでもなさそうなのである程度レベルに見合った装備を作るべきだという結論に達したという訳だ。




