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ゴドリックの護りたい存在(モノ) 6

『オークが騎士になるのか!』とかツッコミ所は多いかもしれないが気にしない方向で行こう。


ステータスと本人の性格、職業の適性的に一番良さそうなのを選んだ結果そうなっただけなんだよ!


それに求められる力の方向性の違いだ。


俺の場合ティアリエが自前の回復手段を持っているから、ある程度攻撃の方に力の配分を割くことができる。


だが、ゴドリックの護る対象であるミラフィアとエーゼルはそうでない可能性の方が高い。


万が一の事を考えれば、回復手段があった方が良い。


そういう訳だ。


地味に『というか、これ聖騎士(パラディン)になるんじゃね?』という淡い期待が無い訳でもない。


「近接戦闘技術はシュラ君、魔術関連技術はそれぞれ私が担当するって感じで良いかな?」


「俺は魔術に関してはからっきしだから当然だな。それに関しては俺も一緒に習っても良いか?」


やっぱ、魔術のあるファンタジー世界なんだから使えるなら使いたいじゃん。


魔力操作は『風竜玉』の風量調整の訓練でかなり上達した自信はあるが、扱いが難し過ぎて、完全にそれに集中してしまったからな。


この機会に勉強しておきたい。


「勿論だよ!基礎だけでも知っておけば近接戦闘の動き方も結構変わるから覚えておいて損は無いからね」


「ゴドリック君は何か使える魔術があったりするのかい?」


「どれも初級ではあるが、火、水、土、風の魔術を使える」


「それでも4属性使えるとは大した物だよ!種族的に豚鬼種(オーク)は魔術を使える固体が非常に少ないんだから尚更だよ!」


ティアリエの話によると、別に魔術系の職業に就かなくても、魔術は覚えられるらしい。


その辺りは武器系スキルで覚えられる戦技も同じとの事だ。


要は努力次第という事だ。


「切り出した木材を早く乾燥させたり、畑を耕したり、水を撒いたり、作業場の掃除したりするのにとても便利だったから覚えた」


成程、戦闘では無く生産活動や日常において利便性を図るだけならば威力は必要ないから、使えるだけで大分変わるという訳か。


理由を聞けば納得である。


「そうだよねー。生産活動に魔術の有無は利便性を大きく変えるよね!私も普段から大いに助けられてるから良く分かるよ」


そういえば、ティアリエは息をするように普段から魔術を使って楽できる部分は楽してるよなと思い出す。


自身の周りの空気の温度を調整して適温を保ったり、小さい虫が寄りつかないように弱い風の障壁を張ったりと小さな魔術を複数常に行使していると言っていた。


MPの自然回復量に釣り合うギリギリを見極めて行使することで、魔力と魔術の制御力を鍛える事が出来るらしい。


彼女の場合、それが無意識で行えるのだから大したものだと思う。


魔力の制御は神経使うから俺には到底真似できそうもない。


「どっちの訓練も明日からにするつもりだけど、時間帯の希望とかはあるかい?」


「早朝と夜が良い。日中は今日のようにミラが来ることがある」


「了解したよ!じゃあ、早朝に私の魔術訓練、ミラフィア君が帰った後にシュラ君の戦闘訓練という感じでどうかな?」


「そうだな。朝一から俺の訓練をやっちまうとその後は最悪1日疲労で動けなくなるかもだしな」


「シュラ君、どんだけハードなのやるつもりなんだい!?」


「本気に対しては本気で応えるのが俺のポリシーだ。安心しろって限界ギリギリはしっかりと見極めるさ」


その辺りは俺も前世で散々体験してるからよく知ってるというものだ。


ゴドリックは体力も根性もありそうだし大丈夫だろ。


「ゴドリック君、シュラ君の訓練は止めた方が良いかもしれないよ!だって、私を鍛えてた時の師匠と同じ雰囲気をしてるんだもん!アレは相当ヤバいヤツだよ!?」


「それで構わない。むしろ、願っても無い事だ。是非とも宜しく頼む」


「良し来た。期待に応えられるように俺も全力を尽くすと約束しよう」


これだけ強い意思があるヤツ相手だ。


それだけによりこっちも気合が入るというものだ。


「ああ……ゴドリック君、君の無事を私は心から祈るよ」


(失敬な。潰れる程追い込むつもりはないぞ、俺は)


ゴドリックに対して祈りを捧げるティアリエを見て、俺は内心でそう思った。


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