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変わり者の豚鬼種(オーク) 4

ここは軽井沢辺りの避暑地か金持ち共の別邸かと思ってしまうような光景であった。


家の中も清掃が行き届いていて、正に塵一つない状態であった。


木製のテーブルや椅子もまた味があって良い雰囲気を醸し出している。


豚は綺麗好きなんて言われるけど、そんなレベルじゃないな。


宿かペンションでもやってんのかってレベルで綺麗で悪臭など微塵もしない。


心地良い木の香りがするぐらいだ。


ただ、大柄なゴドリックの生活する家なので家具が全般的にデカイ。


上背が250cmもある今の俺ですら椅子に腰掛けたら足が宙ぶらりんになる。


ティアリエは……


言うまでも無いな。


椅子の上に立った状態でテーブルに対して丁度良いぐらいの高さだ。


家主であるゴドリックは調理場に行っておりクッキングタイムである。


「お待たせした」


皿を幾つか持って戻って来たゴドリックがテーブルの上にそれを置いて、2回程調理場まで往復する。


テーブルの上に並べられたメニューは……


緑が瑞々しい葉野菜のサラダ、薄黄色のポタージュっぽいスープ、キノコと川魚の赤いソースのパスタ、白いつみれ肉と思われるハンバーグっぽいものであった。


材料が分からないので何とまでは断言できない。


何というか、パッと見バランスが良い感じがする。


想像してた豚の丸焼きとか、ローストチキン的な肉マシマシな感じとはかけ離れていた。


あと、量も気持ち大盛り程度で大量と言う感じは一切無い。


「生きる糧を与えたもう森の恵みに感謝を」


席に着いたゴドリックは教会のシスターが祈りを捧げる時のように胸の前で両手を組んで、そのように告げたのを見て、


「「森の恵みに感謝を」」


俺とティアリエも彼を見習って同じようにした。


食事の作法が地域や文化によって違うというのは、地球でも当然あった。


この世界では種族によっても違うだろうから、その辺りは実地で知るしかないからな。


木で造られた三又のフォークを使って、先ずはサラダを食してみる。


シャキシャキの葉野菜に柑橘系の匂いを漂わす酸味の感じられるポン酢のようなタレがマッチしていて、食べ易い。


次にスープ。


これは地球で言うマグカップのような木製の取手のある器に入っていて、そのまま飲めた。


暖かく少しとろみのあるスープは紛れも無くポタージュで、その優しい甘さには覚えがあった。


これはカボチャのポタージュだな。


コショウの風味がアクセントになっていて甘いポタージュの味を上手く引き締めている。


ポタージュを堪能した所でパスタに手を伸ばす。


フォークをくるくると回してパスタと具を巻き取って食す。


赤いソースはフレッシュな酸味が感じられる。


これはトマトソースだな。


白身魚とキノコの味と風味も良い。


ティアリエはパスタの味がお気に召したようで一心不乱に食して、頬を緩めていた。


最後に白っぽいハンバーグのようなものに手を伸ばす。


それには濃い赤色のドロッとしたソースが掛かっていた。


適当なサイズに切り分けて食べてみると……


(あ、この白いの肉じゃないわ。この味と食感には覚えがあるぞ。これ豆腐ハンバーグだ)


ちなみに赤いのはケチャップベースのソースであったのでかなり美味しい。


料理の腕は完全にゴドリックの方が上だな。


俺の料理は手軽に作れるフライパン一つで出来るものか、鍋系に偏ってる。


ここまで凝った料理は先ず作らないとだけ言っておく。


手間と味のバランスを追求したテキトー料理が俺の持ち味であるので仕方ないと言えよう。


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