初めての勝利とレベルアップ 15
手早く朝食を済ませた俺達は解体場へと来ていた。
「ここが解体場か……広いな」
体育館ぐらいの広さと思いきや、サッカーコート4面ぐらいの広さがあって驚いた。
天井の高さも50mぐらいあって、巨大な物を吊るすであろう大型の門型クレーンのようなものが幾つも存在している。
まるで超大型の造船所だ。
この規模で地下だというのだから驚きだ。
「ふふん、そうだろう!今回君が倒した風竜よりも大きな魔物も少なくないからかなり大きめに作ってあるのさ!」
俺がその大きさに驚いてると、ティアリエは自慢げな様子を見せていた。
「拠点が広いのは何となく察していたが、こうして見ると凄いな」
今まで使う部分しか見たことは無かったのだが、拠点全体だと成田空港よりも広いのではなかろうか?
「まあ、今この大陸に住んでる人種は私以外いないから、土地は使い放題って訳さ!世間的には未発見の大陸だからどの国も所有権を有してる訳でも無いしね!だから、思うがままに理想の拠点を作り上げるのに力を入れているのさ!」
『力を入れている』、現在進行形だと?
「待て、まだ規模拡大中なのか?」
「うん、拡大中の所は作業用ゴーレムにお任せしてるよ!」
どうやら、楽できる部分は楽をしているみたいだ。
「この大陸、宙に浮いてるんだよな?底抜けたり、地上が崩落とかしないか?」
福岡駅前みたいに崩落とかしたら怖い。
「大丈夫、大丈夫!その辺りは計算してキチンと補強しながらやってるから。大体、拠点って実験失敗による暴走の時に周辺の被害抑える為に頑丈に作るものだしね」
それを聞いた俺は、
(ゲームとかで出て来る魔術師や錬金術師の拠点になってるダンジョンが広いのってそういう意味もあったのかもな)
と割とどうでも良い事を思った。
「さあ、早速解体を始めて行こうじゃないか!風竜を出して貰えるかな?」
「それなんだが、1つ試したい事があるんだ」
「んう?」
「『形状操作』で部位ごとに分けられないか試してみる」
「おお!それが出来たら確かに楽だね!」
解体だって『形状』を変える事の一種ではないかと今しがた思ったのだ。
『形状操作』の発動を意識して、『はぐれ風竜の死体』に対する使用を開始する。
自分の躰の形状を変えた時、求められたのは強く正確なイメージだ。
だから、解体後の風竜の姿を想像する。
パーツごとにバラバラになった後の姿だ。
細かい中身など知らないが、地球でも鹿とか猪とか農場を荒らす害獣の解体ならよくやったからある程度は想像できる。
(中身までは無理でも目に見える部分の解体だけでも出来れば上出来)
と思っていたのだが、その心配は不要だった。
『物質貯蔵』による内部保存物質の自動解析。
これが働いて、風竜の中身までハッキリと正確なイメージが頭の中に浮かんだからだ。
皮、角、牙、鱗、爪、骨、肉、血……
各々の素材ごとに分ける。
そして、皮を自身の内側から取り出して、俺とティアリエの目の前に出現させる。
「おお!これは風竜の皮だね!しかも、継ぎ目や切れ込みが一切無い、これは凄いよ!」
頭の上側は爆散して無くなったので仕方ないが、それ以外の皮の部分がまるで脱いだ後の服のような状態の風竜の皮が出て来たのを見て、ティアリエは興奮を露わにしていた。




