初めての勝利とレベルアップ 14
「いやー、色々と面白い物見せてもらったよ。君と一緒だと退屈しそうにないね!」
俺が色んな姿を見せた結果、ティアリエからは好感触であった。
前世では女性からは割と白けた目で見られるのが普通だったから、つい調子に乗ってしまったのは否定できない。
その結果、またMPが尽きていた。
ちなみに今の姿は三世○正の劔冑形態だ。
またMP回復しないと元の姿に戻れないので、廃材を再度『自動修復』に使用している。
そんな俺を見て、
「ふふっ……」
目を細めてティアリエが小さく笑った。
何やら懐かしんでいるような感じだ。
「どうかしたのか?」
「君の見せてくれた色々な姿を見てたら何だか懐かしくてね。少しだけ師匠の事を思い出したんだ」
「師匠?」
「うん。師匠は人形とか、ゴーレムとかとにかく人型の造形物が大好きでね。君が見せた幾つかの姿の中に似たようなのを見た覚えがあってそれが懐かしくって」
「良い師匠だったんだな」
ティアリエのその柔らかな表情からそれが窺える。
「そうだね。無茶苦茶な所は沢山あったけど、良い師匠だったよ。故郷を失って行き倒れていた私を拾って成人するまで色々と面倒を見てくれたし、生きる為の術は全部師匠から教えて貰えたしね。別れてから10年以上になるけど今何をしてるんだろうな?健在なのだけは間違いないだろうけど」
健在なのだけは疑いが無いらしい。
「どういう人だったんだ?」
「とにかく豪快な女性だったよ」
ティアリエの師匠は女性なのか。
「見た目はそれこそ人形のように綺麗な感じなのに中身は完全にオッサンだし、普段はズボラそのものなのに人形作りとか生産作業に関しては物凄い情熱と繊細さを持ってたりするし、見た目は下手すれば私より若く見える恐ろしいまでの年齢不詳だし、虫一匹殺せないような感じなのに理不尽なまでに強くて容赦ないし、何かとギャップが凄い人なんだよね」
「ティアリエより若く見えるってヤバイな」
ティアリエの外見は完全に中高生ぐらい。
身長は大体150cmぐらいと小柄なので下手すれば小学生高学年ぐらいに見えるまである。
それより若く見えるって……
「一番気になるのはそこなのかい!?」
「師弟揃って合法ロリなのか」
「合法ロリ言うな!これでも結構気にしてるんだよ!?」
「若く見えて結構じゃないか。世の中の女性は羨むと思うぞ」
「いや、若く見えるのは良いんだけど、若く見え過ぎるのも考え物なんだよ。初対面の相手からはほぼ確実に子ども扱いされるし……確かにチンチクリンなのは私も認めるところだけど子ども扱いされるのは心に来るものがあるんだよ。30手前の成人女性としては」
「あー……すまん」
「まあ、良いよ。シュラ君も悪気があって言った訳じゃないって分かるし」
「すまんな。昔からデリカシーに欠けるとよく言われる性分なものでな」
人付き合いが得意な方では無いから尚更と言えよう。
「私は結構好きだよ。君の素直な所」
「そうか」
俺もティアリエの趣味一直線な感じは共感が持てて好ましいと言えた。
ぐぎゅうー……
俺達がそんな話をしていると、突如空気も読まず腹が鳴る音が聞こえた。
「あ……」
ティアリエはそれに気付いて恥ずかしさを感じたようで僅かに顔を赤くしていた。
「ティアリエの腹は俺よりも余程素直みたいだな」
「わ、笑うなよ!仕方ないじゃないか、今の今まで朝ご飯食べてないんだから!」
そういえばそうだったな。
ティアリエは寝起きだったっけ。
俺が食事を必要としない躰だからすっかり忘れていた。
これは悪い事をしたな。
「それもそうだな。俺の実験に付き合わせた詫びに朝飯は俺が作ろう」
「やったね!シュラ君料理が上手だから楽しみにしてるよ!」
「ま、腹空かせてるみたいだから手軽に作れるやつにするけどな」
「十分十分!私はお世辞でも上手いとは言えないからね!やっぱり、人に作って貰えるご飯って良いよね」
そうして俺達は廃材置き場から離れて、キッチンへと向かった。




