初めての外出
地獄のような3ヶ月だった。
9つの言語を新規スキルとして取得するのに9SP、それらを日常会話や文字の読み書きが問題無く行えるレベルであるLv.5まで上げるのに72SPを消費することになった。
結構大きな出費だが、俺の頭では真面目に勉強とかやってたら年単位で時間を要する事になるのは必至だったので仕方ないとも言えた。
スキルとして習得するまで色々な国の文字や言葉がこんがらがってグルグルと頭を巡っていたのだが、スキルとして取得した後は各言語に分けられて整理されたのかスッキリした感じになった。
まさか、俺がア○シ-ルド21のタ○ンカの気持ちを味わう羽目になるとは夢にも思わんかった。
3ヶ月の間、言語の勉強だけをしていた訳では無い。
躰の感覚を掴む訓練や、ティアリエの拠点でも行える生産活動、スキル、戦技のレベル上げなども行っていた。
この躰はSTが無限なだけあって睡眠を必要としないらしく、夜間が手持無沙汰だったので暇つぶしに色々やっていたら様々なスキルや戦技が育ち、SPの取得に成功している。
結果として、所持SPが言語で消費した分込みでも増加していた。
スキルを必要行動でレベル上げを行った際に取得できるSPは急成長させるのに必要なSP(半減状態では無く元の値の方)と等しい値だったので、高レベルのスキルを自力で育てればそれだけ多くのSPを確保できたからである。
躰の制御に慣れるに従って、段階的に称号レベルをSP使用することで急成長させてステータスの底上げも行った。
『物質龍の欠片』の称号と『物質貯蔵』のスキルに関しては錬金術師の拠点だけあって、様々な素材が大量に放置されていたのでどちらもSPを消費せずにLv.5まで成長させることが出来た。
他の称号はSPを使いつつLv.5まで引き上げた結果のステータスがこれである。
NAME:修羅・蛮道
TYPE:自立式動甲冑
JOB:騎士Lv.1
SJOB:隠密Lv.1
AGE:0
SEX:不明
ELEM:無
Lv.1
HP:2500(+975) 3475/3475
MP:200(−90) 110/110
ST:∞ ∞/∞
STR:4000(+600) ATK:4600
VIT:9500(+3040) DFE:12540
DEX:600 (+18) HIT:618
AGI:100(−11) SPD:89
INT:600 (−180) MAT:420
MND:8000(+3120) RES:11120
LUK:5(±0)
NEXT EXP:50
SP:2118
我ながら恐ろしい事になってる。
『物質龍の欠片』と『翠翼の守護者』のステータス上昇分が半端なく大きい上にそれを『騎士』の職業補正が拍車をかけた形だ。
これを見たティアリエは『今の君ならたとえA級上位であっても打ち倒す事は困難を極めるだろうね!』との太鼓判を貰えた。
そうだよな。
DFEとRESが1万越えてるし、『自動修復』、『物質貯蔵』、『回復力強化』をLv.5に上げた事で俺が溜め込む事のできるHP量の最大値は150万にも及ぶ。
冗談みたいなHP量でクソ硬い。
ただただひたすらに面倒臭い相手の極致みたいな感じになったな!
躰を動かすのにも慣れて来たし、そう簡単に倒されるステータスでもなくなったので、初めてティアリエの拠点を出て、戦闘訓練と素材集めをする運びとなった。
そんな訳で今、俺はティアリエと共に森の中を進んでいた。
「拠点の外ってこんな感じだったんだな」
緑が鬱蒼としていて薄暗さを感じさせる深い森。
ティアリエの拠点周辺以外は人の手が入っていない雄大なる自然の姿がそこにはあった。
「簡単に見付からないように森の地下に拠点を作ったからね。森を抜ければもう少し綺麗な光景を見られるから楽しみにしてて」
「油断はしていないみたいだが、随分と気楽な様子だな」
「この辺りで私が苦戦するような魔物はいないからね。それに近くに気配も無いし」
俺の『気配察知』スキルにも大きな反応は無いし、視界の中に怪しい所は窺えない。
ティアリエの言ってることは事実であろう。
それにしても、『気配察知』って範囲内の生物の方向と距離と大きさが直接脳内で感じ取れるようになるんだな。
普段から使ってレベリングしていたのだが、ティアリエは俺の『気配察知』程度では知覚できない程にハイド系のスキルが高いので、その感覚を味わうのは初めてであった。
まあ、高レベルの『忍者』だからな。
察知できなくて当然ではあるのだろう。
現に目の前に居ても察知できていないのが現状だしな。




