教えてティアリエ先生 22
俺が称号レベルを引き上げて基礎ステータスを強化しようとしたその時、
「あ、シュラ君!ちょっと待って!」
ティアリエからストップが掛かった。
「どうした?」
「今、称号レベルを引き上げるのは止めておいた方が良いと思ってね」
「理由を聞かせてくれ」
「君はまだその躰に馴染んでいない状態だ。その状態で下手に力とか上げたら感覚を掴むまで加減とか出来ないから色んな物を壊して不便すると思うんだ」
「あー……確かに。それは道理だな」
ドラマ版のシ○ムニの一件みたいにドアノブ壊して立ち往生とかはしたくは無いな。
「それにSPを使わずにレベルを上げられそうな称号やスキルはSPを使わずに上げた方が良い。SPは有限だからね。節約できる部分は節約すべきだよ。それにスキルはSPを使わずにレベルアップさせるとSPが増やせるしね」
「そうだな。忠告感謝する」
じゃあ、ステータスに関わらない『回復力強化』と『自動修復』のスキルだけLv.5に引き上げとくか。
消費するSPは61。
効果を考えれば安いものだ。
これで残りのSPは1297だな。
「一通り自分のステータスを見て何か他に聞きたい事はあるかい?」
「ティアリエはこの世界だとどのぐらいの強さになるんだ?」
この世界の事をまるで知らない俺としては基準が知りたい。
生き残るためには基準を知っておく必要がある。
「そうだねぇ……私単体だとA級下位が精々かな?逃げ足だけならS級下位にも負けない自信はあるけど」
「A級、S級と言うと、職業の適性と同じような感じで階級を示していると考えて良いのか?」
「その通りだね!シュラ君みたいに初期のステータスが高いとかの例外はあるけど、強さの階級とレベル帯をざっくばらんに表すと
EX級 Lv.1000超
S級 Lv.500~999
A級 Lv.200~499
B級 Lv.100~199
C級 Lv.50~99
D級 Lv.30~49
E級 Lv.20~29
F級 Lv.10~19
G級 Lv.1~9
こんな感じになるよ!」
「こうして見るとティアリエって結構強い部類に入るんだな」
階級で言えば上から3番目だ。
全体から見たら上位と言えるだろう。
「と言っても、上には上が割と普通に居るから決して油断できる強さでも無いけどね」
「逆を言えばまだまだ伸びしろがあるってことだろ?」
「良い事言うね!その通りだよ!」
しかし、ティアリエでも上級の下位ぐらいなのか……
ある程度のチートがあっても先はまだまだ遠そうだ。
「他には何かないかい?」
「今は特には無いな」
ティアリエも嫌な顔一つせず丁寧に教えてくれてたしな。
「そうかい。じゃあ、次のステップに進もうか!」
「次?」
何をするんだろうかと思っていたら、ティアリエはどこからともなく大量の……
少なくとも40~50冊ぐらいの本を取り出して、机の上に置いた。
「その本は?」
どうにも何か嫌な予感がする。
「この世界の基本的な言語の教本さ!取り敢えず、『共通語』と8大大国の言語さえ押さえておけば大抵の場所で通じるから安心して良いよ!」
「いや、チョット待て。今、俺とティアリエが話しているのは?」
「私と君の間には精神的なパスを通せるからお互いに意訳してるだけだよ?」
意訳だったのかーい!
って、そうじゃない。
「と言う事は、俺に今から合わせて9つの言語を覚えろと?」
元々理系な上に、文系……
特に外国語関係は大の苦手分野だったのですが!?
ぶっちゃけ、真面目にやってもTOEICで500点越えた事無いぐらいだよ!
テスト?
英語とドイツ語はいつも赤点ギリギリでしたが何か?
そんな俺に9つも新たに言語を覚えろと?
無茶にも程がある!
「何、安心したまえ。真面目にやれば1~2ヶ月ぐらいでスキルとして各言語が『習得可能スキル』に出て来る筈さ。そうなったら取得してSPで急成長させれば良いだけの話だよ!」
そう言えば、言語関係のスキルが全くありませんでしたね。
道理でSPを使うの止めた訳だよ!
空になってスキル取れない状態になるのを避けたかったからだな!?
「その間に躰を動かす事に慣れる訓練もしていかないとね!何、時間はあるんだ。ゆっくりやって行こうじゃないか!」
こうして、俺の異世界転生の始まりはまさかの言葉の勉強という苦痛の時間から始まるという事になった。
結局、元々外国語が苦手な俺は9つの言語がスキルに出てくるまでたっぷり3ヶ月を要したという……




