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初めての出会い

まあ、名前の呼び方については気にしないでおくことにしよう。


「ところで、ティアリエと言ったか?姿が見えないのだが……」


そう、俺が見ている光景の中にティアリエと名乗る女の声の姿が一切見えないのだ。


別室に居て放送で声だけ飛ばしているとかそんな感じなのだろうか?


それだと監獄系のゲームみたいだなとか思ってしまう。


『あ、いけないいけない。素材集めで外に出てたから迷彩切るの忘れてたよ!』


思い出したようなティアリエの声が聞こえた次の瞬間……


俺の目の前に鮮やかな煌めきを見せる緑の髪を持つ白衣の10代中盤~後半ぐらいにしか見えない美しい少女であった。


衣服は上から2番目までのボタンを外して首元を楽にしている赤いカッターシャツの上に丈の短い白衣を羽織り、下は黒いレザー系のホットパンツに赤いリボンがワンポイントとなっている黒いオーバーニーソックスを履いており、活動的ながらも絶対領域が艶めかしくて眩しい。


足元は実用性重視の使い込まれた質感の黒ずんだ焦げ茶色のブーツを履いていた。



「いやー、ゴメンゴメン!長い間1人だったから迷彩を切る必要性を感じなくてスッカリ忘れてたよ!」


「別にそれは構わないのだが、一つ聞いても良いか?」


「うんうん。これから私と君は長い付き合いになるんだ。何でも聞いて良いよ!あ、でもスリーサイズとかは聞かれたら少し恥ずかしいかな」


「いやスリーサイズは別にどうでも良い」


「なんと!?」


俺の言葉に驚いた様子だったが、ティアリエの肢体は見るからにスレンダーである。


胸は無い訳では無いが、僅かな膨らみしかなく、腰も抱き締めればへし折れそうな程に華奢で細いのが服の上からでも分かる。


俺はもっと肉感的なボンキュボンの20代後半~30代後半ぐらいの妖艶な感じの女性が好みなのだ。


どれだけ見た目が美しかろうとこんな針金のように細っこい少女は対象外である。


「その翼や尾羽は本物なのか?」


髪の色が緑なのにも驚いたが、それ以上に彼女はその背に光沢のある美しい水色と緑色グラデーションとなり先端が黄色の美しい翼。


そして、腰の下辺りから外側に長い水色の尾羽、内側に外側が黒く縁取られている白く短めの尾羽が伸びていた。


「勿論、本物だよ!」


俺の質問に対し、ティアリエはニッと笑いながら答えると、その背の翼を大きく横に広げて見せた。


広げられた鮮やかでありながらも優しい色合いの翼は非常に美しく現実離れした光景であり、思わず目を奪われ言葉を失わせるには十分なモノであった。


「私は翼人種、平たく言うと鳥系の獣人族だね!」


獣人、獣人と来たか。


見た感じからすると、ティアリエは地球で言う所の『ケツァール』に近い鳥の獣人という事なのだろう。


となると、ここは間違いなく俺が産まれ過ごした世界ではないようだ。


そう言った物語のジャンルには非常に心当たりがある。


「つまり、ここは異世界という訳か」


問題は転移ものなのか転生ものなのかという辺りだ。


今現在はどちらとも判別していない状態である。


「おお!理解が早いね!話が早くて助かるよ!訳あって君という存在を私はここに呼んだんだ!」


「その訳とは?」


一番王道な『勇者となって魔王を討伐せよ』とか『戦争で危機に陥っている国を救って欲しい』とか言われても正直困るとしか言い様が無い。


いや、憧れない訳では無いけど、自分の国の問題を余所から連れて来た第三者に丸投げするとか人としてどうよという心境的な問題である。


俺の職場で同じ事やろうもんならその場で殺されても文句言えんわ。


「理由は色々あるんだけど、一番大きな理由は私と私の財産を護って欲しいって事かな。獣人種は普人種と比べると肉体的には強い種族なんだけど、私達翼人種は例外でね。空を飛べる代わりに体が脆いんだよね!」


地球において鳥は体重を軽くする為に骨が中空で強度が無かったりする。


この世界における翼人種も同じという事なのだろう。


細かい部分までは分からないが、勝手に俺はそのように解釈していた。


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