目が覚めたら……
新作です。
思い付きのままに書いてますので、何かとツッコミ所が多いかと思われますが生温かい目で見て頂けたら幸いです。
目を覚ましたら飛び込んで来た光景は少し眩さを感じるような綺麗な白。
良く分からない機械や薬品の入った瓶やらが整然と置かれている。
(ここは病室なのか?)
そう思ったが違うと分かる。
少なくとも俺が見知った病室ではない。
専門知識がある訳でも無いのに何故分かったかと言われれば、置いてある物がおかしいからだ。
何か凄いサイズのドリルとか訳の分からん工作機械とかが堂々と置かれてるからね。
明らかに病室に置かれている様な代物では無い。
(ここは何かの実験室?)
俺が疑問に思っていると……
『ハァイ!無事に起動したようだね!』
どこからともなく声が響いた。
明るい女の声だ。
『色々と疑問を感じている事だと思う。可能な限り私が答えよう!』
(何だというのだ!?)
自分の置かれている状況が分からないので、その声は俺の混乱を煽るばかりだ。
(落ち着け、落ち着け自分。深呼吸だ)
気持ちを落ち着けようと深呼吸をしようとして気付く。
(呼吸をしていない?)
息を吸って吐く。
そんな当たり前の感覚が一切感じられない上に音もしない。
そんな馬鹿な。
有り得ない。
生物なら当然呼吸をする筈だ。
(どういう事だ!?)
落ち着こうとしたというのに混乱はますます深まるばかりだ。
『おやおや、何か色々と混乱してるようだね!まあ、当然かな。私が同じ状況に陥ったら間違いなく困惑するだろうからね!』
(気楽に言ってくれる!)
聞こえてくる声の楽しげな様子に苛立ちを感じて、『黙っていてくれ!』と言おうとしたのだが……
「ッ…………!!」
(声が出ない!?)
呼吸のみならず声までも無いとは、これではどうやって疑問を伝えろと言うのか。
『ムムム……まだリンクが上手く行ってないみたいだ。少し調整させてもらうよ!』
(リンク?どういう事だ?)
もうホント何が何やら訳が分からない驚きと困惑が多過ぎて一周して逆に落ち着いて来た。
一体何が起こっているというんだ?
『良し、これで声が出せる筈だ!何か言ってみてくれないかな?』
「あ、ああー……」
声に言われるがまま試しに声を出してみた。
すると本当に声が出た。
俺から発された声は凄く低い背骨が震えるような渋い声だった。
『うんうん、成功だね!』
そして、それを聞いた女の声はいかにも満足気だ。
「取り敢えず『初めまして』と言っておこう」
『おお、そうだね!挨拶は大事だね!初めまして私の守護者くん!私の名前はティアリエ・テークシスだよ!君の名前を聞かせて欲しいな?』
「俺は伴登 秀良という。『伴登』が性で『秀良』が名になる」
『君はシュラ君と言うんだね!宜しくね、シュラ君!』
「『シュラ』ではなく『秀良』だ」
『シュラ』ってまるで『修羅』みたいではないか。
俺は平和を愛する男であって断じて戦闘狂ではない。
これまで『秀良』という字面から『ヒデヨシ』と呼ばれた事はあったけど『修羅』はないだろう。
『えーと、シューラ、シュール……うん、言い難いからシュラ君で!』
日本人の名前は外国人にとって発音し難いとかそういう事なのだろうか。
結局、女の声は俺を『シュラ』と呼ぶ事にしたようであった。
俺はもう『なんだかなー』としか言い様のない微妙な心境に陥ったという。
モブ以下と高校中退フリーターも興味があれば宜しくお願いします。




