複雑な心境
「アナタの叔父さんは酒井さんにこういう事をしろって言ったのかしら?」
「くそっ…」
「お前、あの人にオレたちの仕事邪魔するように言われたのか?」
「これは重大な事よ。仕事に支障をきたすよう言われて尚且つ酒井さんにこんな事をしたんだから。とぼけたってムダよ、ここにいる人たちがこの録音を聞いてるからアナタに逃げ道はないわ!」
「わ、ワタシ、前の会社もセクハラにあったのに、ここでもこんな事になるなんて…もうワタシ会社に来たくない!」
根津が青ざめた。
こんなもんに引っ掛かるとは。
でも男だったら彩音のあの盛り上がった巨乳に目がいっちゃうよな。
ていうか、恐るべし彩音!
「さぁ、今すぐ野村さんに連絡をとりなさい!」
「これはもうお前だけの問題じゃないんだ。身元保証人である野村さんの責任でもあるんだぞ!」
「…ゎかったよ…」
観念したのか、根津はスマホを取り出し野村に連絡した。
「あ、もしもし、叔父さん?ヤベーよ、オレどうしたらいいのかな?」
沙織は根津のスマホを取り上げた。
「もしもし、野村さんお久しぶりです。アナタの甥っ子さんとんでもない事してくれましたね?」
沙織は野村に一部始終を話した。
「次期社長ともあろうお方が甥っ子さんを使って随分と情けない事なさるんですね?」
しかし、野村は何をやってんだ?根津にこんな事やらせてテメーは表に出て来ないのか?
あのオヤジ、クズだな。
根津はそのまま上役連中の下に連れていかれ、野村に頼まれた事を白状した。
会社側としても、この件を放っておくことは出来ず、根津は解雇され、野村の件は病床の社長にも耳に入り、時期社長の座を外された。
そして平社員に降格され、雑用としてこき使われる日々を送る事となった。
彩音は根津が解雇され、野村が平社員になった事を条件に訴える事を止めた。
まぁ、元々は彩音が仕組んだ罠に根津が引っ掛かっただけなんだが。
それにしても、野村って情けねえオヤジだな。
女が自分のモノにならないからってオレや沙織に逆恨みするとは。
あのオヤジには随分と可愛がってもらった恩があるだけに、複雑な心境だ。
でもこんなガキみたいな考えを持ったヤツだったとは。
オレ的には気分の悪い終わりかただった。




