全く記憶にない
オレは野村に連れられボロっちいが味のある赤ちょうちんの店に入った。
「ママ、ホッピーの黒と、生中ね」
ホッピー?
そういや飲んだことないな。
いつもビールばっかだからな。
「あ、じゃあ、自分もホッピー」
とりあえず野村と同じホッピーを頼んだ。
「よし、じゃあお疲れさん」
「お疲れ様です」
オレたちは乾杯した。
うーん、これがホッピーか。
悪くないな、うん。
初めてホッピーを飲んでみたが意外といいかも。
テーブルには串の盛り合わせやら、刺身やらが所狭しと置かれる。
とにかくオレは飲んで食った。
なんせ野村のオゴリだからな、ワハハハハハハ!
しかしこの後はキャバクラか…
オレ話しなんて出来るだろうか。
こうなったら酒の勢いを借りるしかない!
とことん飲んでやる!
「おい、大丈夫かそんなに飲んで。次がメインなんだぞ」
野村が心配するが、オレはシラフでキャバクラなんかに行けるワケないだろ!
…で、案の定オレは酔った。
ホッピーは効くな、かなり。
「だ、大丈夫っすよ!自分こう見えても酒は強ぃ$*+%#?」
ヤベ、マジでフラフラしてきた。
んでオレたちは赤ちょうちんを出た。
「お前、飲み過ぎだっつーの!歩けるか、オイッ」
何だか気持ちワリー…
店出たのはいいが、これでキャバクラに行ったらマズイよな。
ていうか、ホントにキャバクラに行くのかよ、野村ぁ!!
オレは女の前だと持病が再発するんだぞ、わかってんのか、オイッ!
「仲村、次行けるか?どうなんだ?」
どうしてもオレをキャバクラに連れていきたいのか、野村は。
「大丈夫!やってやる、*%$#'&」
自分でも何言ってるかわかんねー。
んだけど、どうしてもオレを連れていきたいなら、行ってやらぁ!
………ふと気がつけば、何故か天井が見えた。
ぐぁっ!!頭痛ぇ~っ!!
どこだ、ここ?
「あ、起きた?オハヨー」
…誰だ、この女!?
あ"!!
この女、確か…
って、知らねーよっ!!
誰だ、お前?
ここ何処なんだ、一体?
「亜美パイセンのおにーちゃん、久しぶり。覚えてない?」
亜美パイセンだぁ…?
!!奈央の妹かっ?
まさかオレ、奈央の妹と…
「ヨッちゃん!」
…この呼び名は幼き日のオレの呼び名…
て、ことは…
奈央!
…とその妹の唯!
「あ"だま"痛ぇ~っ!!」
「おにーちゃん覚えてないの、昨夜の事?」
何だ?…全くわからん!
しかも何故この姉妹が?
この姉妹の姉は奈央、妹は唯。
オレは奈央とは近所が近く、高校まで同じクラスだった。
いわゆる幼なじみってぇヤツで、オレがコミュ症にならない、唯一の女だ。
「唯がね、ヨッちゃんが歩けないからってアタシに連絡くれたのよ。何であんなに飲むかなぁ?」
全くわからんし、何故オレがこの姉妹に介抱されたのだ?
「おにーちゃんアタシがバイトしてる店に来たの覚えてないの?」
にゃに~っ?
バイトって?赤ちょうちんにはいなかったぞ、お前は?
「唯ね、キャバクラでバイトしてんのよ」
キャバクラ行ったのか、オレは?
全っ然覚えてねぇ~っ!!




