ウゼーヤツだな
「アニキさぁ、心配してくれんのはありがたいんだけど、妹をもうちょっと信用してよね~、大丈夫だからさっ」
「そこまで言うならオレはもう何も言わないよ。仮にお前がニートを好きになろうが、ヤクザを好きになろうが何も言わない。ただ、あの男だけはダメだって事は解ってくれ」
「…うん、解った。アニキありがとね」
神妙な顔になり、亜美は頷いた。
「よし、じゃ飲もう!何でもいいから遠慮なく注文しろ」
「じゃ、ポテサラとね、バターコーンにメンチカツ!」
オレたちは飲んで食べて笑って久しぶりに兄妹の時間を過ごした。そしてまた亜美は酔い潰れた…
「ア"ニ"キ~、今日はさぁ~、アニキんとこに泊まって…寝るっ!www」
「お前、酒癖悪いなぁ。前もそんな事で玄関の前で寝てたろ!」
「アニキっ!」
「何だ!」
「ありがとごじぇましゅ!」
亜美は敬礼をしてるが、足元がおぼつかない。
「うむ!」
「wwwwww」
酔っぱらいのコントみたいなやり取りじゃねーか。
フラフラになりながら亜美はオレの肩を借り、アパートまで歩いて帰った。
「おぉ、何かさぁアニキ身体鍛えてんの~?肩とかスゲー筋肉ぅ~」
肩をバシバシ叩きながら亜美がオレの肩の筋肉を触っていた。
「だろ、たまには鍛えてんだよ、アニキは」
「スゲー、アニキバキバキになってんの?腹筋とか見せてょ~、ねぇみーせーてー!」
こんな酒にだらしないのか、コイツは!
「いいから真っ直ぐ歩け!もうすぐで家着くぞー」
「アニキ、歩けない…おんぶ」
「なにっ?もうすぐだから我慢して歩け」
「やだやだ、おんぶ!」
亜美はその場に座り込んでしまった。
「ほら、起きろ!あとちょっとで着くから、ほら起きた起きた」
「だーめ~、むーりー」
ったく誰に似たんだこの酒癖の悪さは!
ああ、もう仕方ない!
「ほら、じゃ乗れ!行くぞ」
「は~い、乗りまぁす」
亜美をおぶって部屋までたどり着いた。
コイツと飲むのは止めよう!
こっちが大変だ!
亜美をおぶさったままドアの鍵を探した。
なかなか出てこない、どこに入れたんだっけか。
「早く開けろよアニキ~、しっかりしてよねぇホントに…」
あった。オレは鍵を開け亜美をベッドに寝かしつけた。
「おやすみ~…(。-ω-)zzz」
もうイビキかいてやがる。
オレはまだ一杯飲んでそれから寝よっと。
ーーーーーまたソファーで寝るのか…ーーーーーー
ギシギシして寝ごごち悪い。
でも早く寝よう。
「…ニキ、アニキったら。朝だよ朝!」
亜美の声で目が覚めた。
「おはよ。また二日酔いで休むのか?」
亜美は昨日の酒が残ってるみたいだ。
「あーたまが痛い…もう無理っ有給使って休む~」
「帰る時に鍵を郵便受けの中に置いておけよ。じゃ行ってくんぞ、ちゃんと寝てろよ、おいっ」
そう言って部屋を出た。
誰に似たんだ、あの酒癖の悪さは。
寝不足のまま、会社へと向かった。
…あちゃ~、初っぱなから野村に会うのか。
めんどくせー相手に会ったな…
「おーっす!元気かおいっ!この前のキャバの姉ちゃんとLINEの交換したんだぜ、スゲーだろ!」
解ったからそのデケー声近づけるなってーの!
「お、おはようござぁます」
「元気ねえな、おいっ!こっちの方はいっつも元気なクセによぉ~、ワッハッハッハッハッハ」
痛でっ!我が息子をギュッと鷲掴みにしやがる!
「何するんすか、止めてください!」
「バカやろ!男同士のスキンシップじゃないかっ!しかし、お前中々大きいな、何でまだ未使用なんだろな、これで」
「ほっといてください!いいじゃないすか、もう」
朝からいっつもこんな感じだ。
「ところでこの前言ってた家庭教師だった娘とはどうなったんですか?」
オレは野村に探りをいれた。
「あー、あの娘か。いいよなぁ可愛くてさぁ、オレが生徒になって色々教えて貰いたいぐらいだよ、ヘヘヘヘヘ」
このスケベオヤジが!
「野村さんて一体、彼女何人いるんですか?」
「あ?そりゃ多ければ多い方がいいよな、毎回飽きないからなww」
クズだ!最低な男だ!
「でもバレたりしないんですか?」
「オレがそんなヘマするワケねぇだろwwwそれよかいつまで大事に童貞貫き通すつもりだお前は?」
…ダメだ。ここはハッキリと亜美はオレの妹だと言うしかない。




