ホントに付き合っているのか?
社長の息子ってことは単なるバカ息子ってヤツじゃないのか?
「仲村君、特に貴方は野村さんに目をかけてもらってるみたいだけど、あの人に関わるのは良くないと思うな…」
そりゃオレは別に野村と関わるつもりはないんだが、野村がオレに関わろうとしてるから困るんだよ。
「初めて聞きましたよ、野村さんの過去を」
この会社には勤めて3年経つがこんなこと聞くのはホントに初めてだった。
あまりにも社内の事が疎すぎたせいなのだろうか。
…オレは3年もいて仕事が出来ないのは野村のせいか?
いや、オレの要領の悪さだろうな。
「あの、自分は正直なとこ、会社での野村さんの事はどうでもよくて、問題なのはオレの妹が野村さんと付き合ってるって事が重要なワケで…」
「んー、妹さんには聞いてないんでしょ?だったら一度聞いてみたらどうかな?野村さんが勝手に彼女だと思い込んでるかもしれないし…」
聞くしかないのか。
お前、オレの上司と付き合ってるのか?って。
めんどくせーな、こりゃ。
「そうだ、仲村君と一緒にユースケさん達の結婚パーティーに来た友達っていつデビューするの?」
沙織が話を変えてきた。
「えっ、あぁ確か二週間後に試合のはずです」
「私さぁ、ケッコープロレスとか格闘技好きなんだよねぇ。その試合仲村君も観に行くんでしょ?私も行っていいかな?」
「マジすか?そりゃ勿論来て下さい。場合によってはオレがセコンドに付くかもしれませんが」
「ウソっ?仲村君セコンドに付くの?」
「いや、もしかしたらの話ですけどね。でも出来ればセコンドに付いて応援したいぐらいですよ」
弾丸のデビュー戦にセコンドに付くのはストライカーだが、オレもセコンドに付く可能性はある。
まぁジムの人が何と言うか解らないけど。
「やっぱりボクシングの話になると目がキラキラしてるね。いいなぁ夢中になるものがあって…」
そうかな、そんなにイキイキしてるのかオレは。
「高橋さんは何か夢中になる事はないんですか?」
「うーん、学生の頃はソフトボールに夢中だったけどね。今は特にする事もないし、休みの日なんかずっと家に引きこもっちゃってさぁ。何か億劫なんだよね」
「そうですか。そう言えば高橋さんて彼氏とデートとかしないんですか?」
「それ聞く?いないからこうやって仲村君と飲んでるんじゃないww」
「あ、すいません…」
「仲村君こそボクシングばっかで彼女とか作らないの?」
聞くな、それを!
彼女いない歴=年齢なんだからっ!
「まぁ何と言いますか…その、はい、いないです」
「アタシより仲村君の方が心配だよ~wいつになったら彼女作るんだ、おいw」
「そうすね…はい」
沙織は美人だからすぐに彼氏なんて出来るだろうが、オレはまぁその童貞だしな。
そんな色気もない話をして、その日の仕事は終わった。
オレは帰りの電車の中で亜美にメールをした。
【明日空いてるか?もし空いてるならたまには飲もう】
すぐに亜美からの返事がきた。
【いいよ~、その代わりアニキのオゴリでね(笑)】
どうやら空いてるみたいだ。
ホントにあのオヤジと付き合ってんのかなぁ。
マジで付き合ってるなら…別れろと言おう!




