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仲村慶彦の憂鬱 社会人編  作者: sky-high
自分を変えるきっかけ
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まだか結果は?

弾丸は独特の、ノーモーションからの左ジャブを放つ。


あのジャブは食らったヤツにしか解らないが、不意に打ってくるので、パンチの出所が見えない。


「いいぞ、ケースケ!」


「ケースケ君落ち着いてきましたね。この試合は勝つ事が重要じゃない。きちんとボクシングの基礎が出来てるかどうかを裁定する場です。ケースケ君はダウンなんて奪わなくても合格できます」


「でも、ここまできたらやっぱダウン奪ってKOで合格したいじゃん!ケースケならKO出来そうだよ」


残り1分、弾丸は左フックを叩き込んだ。


「ダウン!」


「やった!ダウンしたよ!」


「ケースケ君のスクリュー気味のフック、あれは武器になりますよ。もしかしたら彼はかなり上まで行けるポテンシャルを持ってますよ」


マジで?かなり上って、世界チャンピオンかよ!


カウント8で相手は立ち上がった。


しかし、ゴングが鳴りプロテストは終了した。




「いやぁ、テスト終わったら腹減った~!」


弾丸はテストの呪縛から逃れたかの様に清々しい表情をしていた。


「よし、飯でも食いに行こうか。オレも禁酒してたから飲もうかな」


オレたち3人は近くの中華料理屋で飯を食って帰路に着いた。


翌日、弾丸はストライカーと共に再度後楽園ホールに足を運んだ。


プロテストの合否を確認するためだ。

オレは仕事で行けなかったが、結果が解るまで、何も手につかなかった。


「遅ぇな、弾丸。もうとっくに結果解ってんだろが…」


オレのスマホに直ぐに連絡をくれるという約束だったのに中々連絡が来ない。


「仲村君、何ソワソワしてんの?」


落ち着きのないオレを見て、沙織が話し掛けてきた。

ウゼーな。今それどこじゃないんだよ、変な仕事押し付けてくんなよ、頼むから。


「あ、いや何でもないっす。あっ!急に腹が…トイレ行ってきます」


余計な仕事押しつけられるのもイヤだからトイレに駆け込んだ。


「まだかよ、早く連絡くれよったく」


オレはトイレの個室に入り、スマホをチェックした。


まだ来ない。

まさか不合格だったのか?


いや、そんな事はないだろう。弾丸のボクシングテクニックは完璧だったはず。

それにしても遅すぎる!


オレはLINEにメッセージを入れた。

【どうだった?合格か?】


するとすぐに既読の表示が出て

【モチロン、合格だぜーww】


やったーっ!弾丸プロテスト合格だ!


【早く連絡くれよ、こっちは落ち着かなかったぜ】


【そうかそうか、悪かった】


その後にスタンプか送られてきた。


とうとうプロのボクサーになったか。


オレはこれ程にまで夢中になった事があるだろうか。

間違いなく無かった。


それも他人の事にそこまで自分が協力したことなんてなかったからだ。


でも今は自分の事の様にスゲー嬉しい。


次はデビュー戦だな。



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