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二
その頃、私はまだ10代で…
当時の私は、今、おそらく同じ年ごろだろう君らと比べて、体も…頭も。ずっと幼かった。
良く言うといつも一生懸命で、王族や国のためになるならどんな努力も惜しまない、向上心と愛国心のカタマリだった。
悪く言うならば、無鉄砲で融通がきかず、ナマイキな…本当に幼い…
…『子ども』だった。
…だが、当の本人は子ども扱いを嫌い、『一生懸命』という盾を使って色々と無茶をやらかした。
当時はきっと、善意でしたとはいえ迷惑をかけられて困った人もいただろう。それでも笑顔で見守ってくれ、私の成長を気長に待ってくれた西境国の人々はなんと大きな心の持ち主ばかりだろうと今更ながら感激している。
そう、あのときも…