陶潜「桃花源記」より
桃源郷…理想郷であり、隠れ里。呼ばれた者しかそこに出入りできない、中国の伝説上の国。
『…
林尽水源、…
(川の始まりだろう滝(水源)まで桃林が続いていて林が終わると)
山有小口、…
(山が見えて、そこに小さなホラアナがあった)
…
初極狹、纔通人。
(穴は、入り始めはとても狭くて人1人がやっと入れるくらいだった)
復行數十歩、豁然開朗。
(それでもいくらか進んだら、急に目の前が開けて、しかも明るくなった)
土地平曠、屋舍儼然。
(出口にあった土地はとても広くて、デコボコがないよう整地もしてあって、きれいに並んだ建物も見える)
有良田・美池・桑竹之屬。
(良い作物が実っている田畑はあるし、水がきれいな池もあるし、生活するのに欠かせない桑や竹のような植物も十分ある)
阡陌交通、鷄犬相聞。
(田畑は直線で区切ったみたいに整備してあるし、鶏と犬が鳴きあっているのが聞こえるから、動物も育てている様子)
其中往來種作、男女衣著、悉如外人。
(でもその畑で作業をしてる人達はまるで異国の人みたいだ。古臭い服を着てるなぁ)
黄髮垂髫、並怡然自樂。
(髪の色が薄くなってるお年寄りも、ツヤツヤした髪をおさげに結った子どもも、みんな楽しそうにしていた)
…』
陶潜「桃花源記」より抜粋(カッコ内はアレンジし、含まれていない言葉も多く付け加えた訳)