抗ウ獣
神?
滅びた世界にしがみつく愚かな輩の群れ。台座から降ろされたことに気づかず、眠ることを許されることなく、生き続ける屍の民。
【災禍】を求め続ける深淵の罪人。
神こそ、【存在】を作り出した元凶なり。
時の創世者。
存在の第三者的認知者。
視る者。
そして――――
「我ら災禍の獣に抗うもの」
―――【災禍】とは、【存在】にあらず。
認知の裏側にあるもの。
幻想。
夢。
視てはいけない。
神とは異なるルーツを持つ深き澱み。
敵対者。
喰らうもの。
原初。
そして、【存在】に抗うモノ。
「――――【魔王】は目を覚ました」
直に彼らも目を覚ます。
深き淀みの底に消えた旧き神を追いかけ、自らも【穢れた】とほざくあの愚かな輩ども、か。
封印が一つ、解けた。
【魔王】の身体が焼失し、柱が一つ、崩れた。
その隙間を縫って、奴らは彼のものの前に現れる。
この落とし前、無論考えているのだろう?
のぉ、白狼よ。
「言われずとも」
我らが【原初の災禍】の支配者。
宇宙の破壊者。
運命に抗うもの。
最初の獣。
名は【災禍の魔王】
彼はまだ目を覚ましていない。
行け、白狼。
我らは未だ、封印を守る。
お前だけが頼りだ。
「――――直に、世界は変革する」
災禍の流れの中、【存在】の流れは変わり、我らは一つになる。
その時の為、旧き神を封じ、殺し続けよう。
「行く。留守番は頼んだ。皆よ」
我らは災禍の獣。
神を封じる柱。
全ては果てなき、原初の流れの向こうへ。




