A girl.
どれくらいそこでそうしていただろうか。
ルルは喉の渇きを覚えて辺りを見回す。
どちらへ。どこへ。どれも。――――どれでも?
ならばいっそここに留まろうか。
身体の本能が訴える危機感もルルにはどこか遠い。
「―――――――――――ぇ…」
何か聞こえた。
渇いた風が鳴る砂塵のかなた。
聞こえた。また一つ。
幻聴でもいい。ルルはフレイアを杖にして立ち上がり砂を踏んだ。
「だ…れ…か…っ」
口を開くと砂粒が入る。思うように進めずもどかしい。
それでも『それ』は―――誰かの声は段々と近くなって、とうとうルルは揺らめく影を見た。
「――――っ、助けてっ!」
ありったけの息で吐き出した叫びは届いた。
影がこちらを振り向く。ルルの姿を認め近付いてきた。
これで助かる。
力が抜けてルルは砂上にへたりこんだ。
当てのない無の可能性から突如現れた生存の可能性は心を思った以上に舞い上がらせ、平静さを欠かせた。
だから気付かなかった。
「…え?」
ルルは呆然と顔を上げる。
どこかで見たふたこぶの奇妙な生き物――――駱駝だと幼い頃に献上品の説明を聞いた覚えがある。
それらに跨った男たちがルルに刃物を向けて取り囲んでいた。
その中でルルの目の前にいる男。首領らしきそいつは口の端を吊り上げ、下卑た笑いを浮かべてこう言った。
「こいつはいいモンが手に入ったなぁ」
ぬさもとりあえず更新。
間空けてしまい申し訳ありません。