表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャインブレイブ!  作者: finalphase
第1章 モンスター出現!
4/52

第4話 お似合いカップル!

 私の名前は早乙女凜華。自分で言うのも変だけれど、世間一般で言うところの“お嬢様”らしい。

家は昔から続く由緒ある家系で、何かにつけて格式や礼儀を求められてきた。だからなのか、学校では「姫」とか「姫さん」とか、最近では「お嬢さん」なんてあだ名までつけられている。

 周りは勝手に持ち上げて、勝手に憧れて、勝手に期待してくる。……まあ、スタイルはいいし、顔も整ってるって言われるしね。自覚はある。悔しいけど。


 でも、そんな外見をほめられる度に、胸が少しだけ冷たくなる。

人って、可愛いとか綺麗とか、そういう“見てすぐにわかるもの”にしか注目しないのよね。

私の人間性までちゃんと見てくれる人なんて、本当に少ない。

そういう人がいるとしたら――彼氏の浩平くらいだ。


 浩平は、イケメンで背が高くて人当たりも良くて、運動神経も抜群で、勉強までできる。まるで少女漫画から抜け出してきたみたいな男の子。

 時々空気読めないけど、そんなところも含めて私は彼が大好き。

ちゃんと、私の“中身”の方を見てくれる。甘えられる私を、呆れながら受け止めてくれる。

……これ、普通に幸せ者じゃない? 私。


 今日は久しぶりに彼と一緒に帰れる日で、しかも雨。

傘ひとつで肩寄せ合って帰るなんて、もう……胸がずっときゅうってしてる。

滴る雨の匂い、彼の制服についた柔軟剤の香り、傘の下で響く静かな雨音――全部、私だけの特別な空間だった。


 そんな時だった。

道の真ん中に、白い子猫がちょこんと座っていた。まだ子どもみたいで、細い尻尾を揺らしながら私たちを見上げてくる。雨に濡れた毛が小さく震えていて、その姿が愛らしすぎた。


「この猫、可愛いな。ずっと見てたいくらい。」

 浩平がぽつりと言った。


 ……待って? ちょっと? 彼氏の前で可愛い猫を見せられる彼女の気持ち、分かる?


「ねぇ、浩平くん……?」

「ん?」

「あのさー、あんた、彼女の私と猫どっちが大事なのよ?」


「猫!」


「……」


 ……はぁぁぁ!?


 涙目でふくれっ面をしてアピールすると、浩平は苦笑して肩をすくめた。


「分かった分かった。泣くことないだろ。少しからかっただけだっつーの。」

「もうっ!」

「ほんとに甘えん坊だなー、凜華は。」

「はぁ? 誰が?」


 言い合いしながら歩く時間が、たまらなく愛しい。

付き合ってもう1年近いのに、いまだに彼と話すと胸がドキドキしてしまう。

甘えん坊って言われたけど……まあ、否定はできない。彼の前だと、どうしても素直になれなくて、逆に甘えてしまうんだ。


 こんな幸せが続けばいいのに。

そう願った瞬間――世界がきしむような、嫌な気配が走った。


 視線を向けると、緑色のバッタのような形のモンスターが雨の中に立っていた。

足をカチカチと鳴らし、こちらをじろりと見据えている。


「凜華、下がって。」


 浩平が咄嗟に私を庇うように前に出る。

突然のモンスター出現なのに、怖がりながらも私を守ろうとする姿勢に胸が熱くなる。

……ほんと、ズルい男。好き。


 けれど、そのままじゃ彼が危ない。


「ごめん、浩平君……下がって!」


 私は彼の制服の裾をぐいっと引っ張った。

戸惑う彼を背中に押しやり、ポケットからコンパクトを取り出す。


「光よ、私に力を! プリズムシャインブレイブ!」


 光に包まれた身体は、いつもの私ではない。

水色の装飾が揺れる、美しい戦士――プリズムシャインブレイブ。


 驚きで固まっている浩平を背に、私はモンスターに向かった。


「プリズムシャイン――ブレイク!」


 弓矢が水しぶきのように輝きながら放たれ、モンスターの中心を貫く。

爆散した光の破片が雨に溶けて消えた後、変身を解除して彼の方を向いた。


「その……」


 不安で震える声が、自分でも分かった。

軽蔑されたらどうしよう。怖がられたらどうしよう。

そんな弱さが胸を締め付ける。


 だが、彼は優しく笑って言った。


「たとえどんな秘密があったとしても、俺は凜華のことが大好きだ。」


 ……ああもう。反則。


「はいはい。分かったよ。ほんとに仕方ない子だなぁ、凜華は。」


 照れ隠しでそう言ったけれど、次の瞬間には彼の胸に飛び込んでいた。


「凜華、周りの人目もあるし、そろそろ……」

「んん。もう少し。」

「しょうがないなぁ。もう少しだけだよ。」


 雨音が優しく打ちつける中、彼の腕の中は驚くほど安心した。

変身して化け物と戦う私を、全部ひっくるめて受け止めてくれる――

そんな彼氏がいる私は、本当に幸せ者だ。





【次話予告】


「早乙女さん、提案って何?」

「今度から一緒に帰らない? モンスターは多分、コンパクトを持ってる人間を狙ってる。」


 早乙女凜華と帰ることになった私の前に、またもやモンスターが現れる。


「そんな……私たちの攻撃が、全く効かないなんて……!」

「あのモンスターのカマは、何でも切り裂いてしまう!」


第5話 現れた強敵!


――必ず読んでね!

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

この作品が面白いと感じられました方は、評価やブクマなどくださると大変励みになります。

第5話は3分後に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ