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シャインブレイブ!  作者: finalphase
第3章 狂気の実験
35/52

第35話 オルフェウスの正体とマルバスの策略!

 その日、マルバスはオルフェウス直々の呼び出しを受けていた。

 荘厳な礼拝堂のような空間。燭台の炎が揺れ、薄暗い部屋の奥に、仮面の男――オルフェウスが静かに立っていた。


「オルフェウス様。お呼びとのことですが、一体何のご用件で?」


「単刀直入に申し上げましょう、マルバスさん。」

 低く響く声。その声音には、いつになく冷たい響きがあった。

「あなたが本当にシャインブレイブを倒せるというのなら……私は、それを止めるつもりはありません。」


「それは、つまり――?」


「私は間もなく、“神に最も近い存在”として覚醒します。」


 マルバスは目を見開いた。

「それは……一体、どういう意味で?」


「以前にも少し話したでしょう。私の一族――早乙女家は、人間の中でも特に“神”に近づいた血を持つ家系だと。」

 オルフェウスの口元に、かすかな笑みが浮かぶ。

「そして、私――早乙女律の娘、凜華もまた、その潜在能力を確かに受け継いでいます。その力が目覚めるのは二つの条件のどちらか。

 ひとつは、年齢を重ねたとき。もうひとつは――命の危機に直面したときです。」


「……つまり、早乙女凜華が“覚醒”する時が近いと?」


「そういうことです。」


 マルバスは眉をひそめた。

「しかしオルフェウス様。ご自分の娘が、赤の他人の手によって倒されることになっても、構わないのですか?」


「ええ、構いません。」

 オルフェウスは淡々と答える。

「たとえ家族であっても、シャインブレイブは“私の敵”ですから。」


 その瞳の奥に、一瞬だけ複雑な光が宿った。

 ――マルバスさん、私の娘はあなたには倒せない。

 オルフェウスは心の中でそう呟き、微かに笑った。


 オルフェウスの部屋を後にしたマルバスは、すぐに作戦立案に取り掛かった。

 目標はただ一つ。シャインブレイブの完全撃破。


「彼らの強みは“団結”だ。仲間同士が信頼で結ばれている。普通の人間でありながら、あの鈴木祐介という男までがバトルスーツを纏い、戦いに参加している。――だが、団結が力の源なら、それを崩せばいい。」


 マルバスの唇が不敵に歪む。


「さらに、シャインブレイブの最大の武器は“成長力”と“怒り”による瞬間的なパワーアップ。ならば――それに“ついていける敵”を作ればいい。」


 その答えは単純だった。

 戦いの中で敵を学習し、進化していくロボット。


「名付けて――《ファイティング・グロー》。」


 彼は試験管に浮かぶ光る液体を見つめながら、ゆっくりと笑った。

 ロボットには三つの能力が備わっている。

 一つ、敵の攻撃を防ぐバリア。

 二つ、受けた攻撃をそのまま反射するカウンター機能。

 三つ、目から放たれる強力なレーザービーム。


 それを十体――。

 マルバスは冷徹に命じた。

「一人の戦士に二体で襲いかかれ。」


 そして――運命の日が来た。


 放課後、真っ先に下校する遥。

 街中を気ままに歩くルナ。

 そして、巡回中の鈴木祐介。

 それぞれの前に、無機質な鋼鉄の兵士たちが姿を現した。


 ――ファイティング・グロー、発進。


「ミラクルミナス・ブレイクッ!」

 遥が変身し、光の魔力をまとって戦闘を開始した。

 しかし、ロボットは無表情のまま拳を振るい、彼女を壁に叩きつける。


「ミラクルミナス・バリア!」

 展開した防御壁が音を立てて砕け散る。

 遥の放った攻撃も、逆にバリアに弾き返された。


「くっ……! なんて硬さなの……!」


 目から放たれる赤いレーザーが地面を焦がし、遥の身体を貫いた。

 それでも彼女は立ち上がる。

 ――ここで負けるわけにはいかない。


 同じ頃、鈴木祐介も二体のファイティング・グローと死闘を繰り広げていた。

 体力の限界を超えながらも、驚異的な持久力で応戦を続ける。

 彼の拳が鋼鉄の装甲にめり込み、火花が散る。


 一方、夜の路地裏では、ルナが孤独な戦いを続けていた。


「ダークルミナス・ブレイク!」


 黒い光が炸裂する――が、ロボットのバリアに跳ね返され、衝撃波が彼女の身体を貫いた。

 鋭い弓矢が胸を貫き、彼女は地面に崩れ落ちる。


「ぐっ……ぁ……!」


 血が喉を焼き、息ができない。

 冷たいアスファルトに倒れ込む彼女に、無慈悲な光が降り注ぐ。

 レーザーが直撃し、胸元の人工宝石が粉々に砕け散った。


 ――視界が滲む。


(……何だったんだろう、私の人生。)

(結局、友達って何か分からなかったな……。)

(ひかりや凜華、そして遥。私がいなくなったら……悲しんでくれるかな……?)


 人工的に生み出された命。

 その最後の瞬間、ルナは静かに微笑み、瞳を閉じた。




【次話予告】


 ルナを倒した二体のファイティング・グローが、次なる標的――遥のもとへ向かう。

 四体のロボットに囲まれ、絶体絶命の危機に陥る遥。

 光が消えかけたその時、彼女の心に浮かぶのは――仲間たちの笑顔。


第36話 絶望の始まり

必ず読んでね!

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