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シャインブレイブ!  作者: finalphase
第3章 狂気の実験
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第31話 邪悪な戦士

 マルバスは新たに作り上げた培養カプセルに、じっと目を凝らしていた。もう少しで人工生命体――ダークブレイブの最新作が完成する。月影ルナもかつてはその端くれだったが、彼女の心はあまりに純粋で、闇の使者を名乗るには向かなかった。シャインブレイブと仲良くなってしまったのも、その純朴さのせいだ――その反省から、今回は人間の“悪い心”だけを濃縮して注ぎ込んだ、徹底的に邪悪な戦士を作り出すことにした。


培養カプセルの蓋がゆっくりと開き、暗い霧のような光の中から一人の少女が姿を現す。彼女の名は神崎 沙羅。恨み、妬み、呪い、怒り――人間のあらゆる負の感情をぎゅっと詰め込まれた存在だ。細い身体に不釣り合いな冷たい光が宿り、細く尖った視線が周囲を斬る。


「あら、やっとお目覚めかい?」


「んだよ、うっせーんだよおっさん。」


そう叫ぶと、沙羅はマルバスに向かって矢じりのような気配を放った。矢は一直線に飛び、マルバスは慌てて近くの石を掴むと、それを剣へと変形させて攻撃を弾き返す。だが、沙羅は怠そうに首を回し、冷たい笑みを浮かべた。


「はぁ。どいつもこいつも偉そうにしやがって。この世界はあたしの物なんだよ。」


次の瞬間、沙羅が猛然と殴りかかる。マルバスは咄嗟に身をかわし、辛うじて間合いを取って逃げ延びた。だが、その動きにも苛立ちを隠さない沙羅は、辺りに荒々しい気配を撒き散らす。


「逃げ足だけは早ーのな。ふざけやがって。」


沙羅の顔は怒りと憎悪で歪み、瞳には自分以外を許さない冷たさが満ちていた。流石のマルバスも、思わず呟いた。


「こいつはやべーぜ……」


人間の負の感情を入れすぎたのか、結果として生まれたのは究極の自己中心的な存在だった。沙羅は理性など欠片も持たず、ただ自分の望みのみを満たそうと暴れ出す。街の通りは次第に混乱の渦に包まれ、建物の窓ガラスが砕け、遠くで車のクラクションが鳴り響いた。


程なくして、現場にシャインブレイブと鈴木祐介が駆けつける。私たち――シャインブレイブの仲間たちも、合流した。


「先輩方、この子は一体?」と遥がぽかんとした顔でルナを見やる。


「話はあと。みんな、行くよ!」


「はい!」


私たちは瞬時に覚悟を決め、変身の合図を合わせる。


「光よ、私に新たな力を! マジカルミナスブレイブ!」


「光よ、私に新たな力を! プリズルミナスブレイブ!」


「光よ、私に新たな力を! ミラクルミナスブレイブ!」


「闇よ、私に力を与えたまえ! ダークルミナスブレイブ!」


五人と一人――私たち四人に鈴木さんを加えた計五人で、街を蹂躙する邪悪な戦士に立ち向かう。沙羅は冷笑一つで応戦し、その攻撃は苛烈だった。


「あんたら、邪魔よ。全員まとめてぶっつぶしたげる。」


言葉通り彼女は手加減を知らない。五人で力を合わせても互角か、やや分が悪いほどだった。連携を試みても、沙羅は個々の攻撃を冷静にいなし、逆にこちらの弱点を突いてくる。


「マジカルミナスブレイク!」


私の攻撃は、まるで風を斬るだけのように沙羅に弾かれてしまう。どうしても通じない。私は息を飲み、問いかける。


「あなた、どうして街を滅茶苦茶にするの?」


沙羅は嘲るように鼻で笑い、答えた。


「あんたには関係ねー話だ。この街の全てはあたしの物。何をしようと、あたしの自由。」


その言葉通り、沙羅の蹴りが私の身体を捕らえ、私は後方に大きく吹き飛ばされた。目を閉じた瞬間、誰かの腕が私を受け止めた。遥だ。彼女が冷静に私を抱きとめ、優しく声を掛けてくれる。


「大丈夫ですか、先輩?」


「うん、大丈夫。ありがとう、遥。」


凜華はルナの瞳をじっと見据え、何かを決意したように言う。


「ちっ、仕方ないわね。こうなったら力を合わせるわよ。」


「うん。」


二人が息を合わせ、強力な合体技が放たれる。


「プリズルミナスブレイク!」


「ダークルミナスブレイク!」


合体技は一瞬の火花を散らし、沙羅は面倒くさそうに弓矢を構えるだけだ。


「ダークブレイク!」


沙羅の矢が空を切り、遥が放った矢を払いのける。遥はすかさず――


「ミラクルシャインバリア!」


広がる光のバリアが私たちを守り、その直後に大きな爆発が空中で起きた。衝撃が全身を揺らし、私たちは辛うじて命拾いしたが、全員が傷を負っている。痛みがじわりと響く。


「ミラクルミナスブレイク!」


遥が即座に反撃の弓矢を放つも、沙羅にはさらりと交わされる。凜華は歯噛みして呟いた。


「冗談じゃないわ。何なのよこいつ。いくら何でも強すぎるわ。」


その様子を見て、私の胸の奥にも不安が広がる。


「これはやばいかもしれない……」


諦めかけたその時、どこからともなく怪しい人影が現れた。薄暗いマントを羽織り、口元に淡い笑みを浮かべる男だ。歩み寄るその姿は、どこか神秘的で――しかし、どこか信頼に値する雰囲気も帯びていた。




【次話予告】


「やぁ、初めまして。俺の名はマルバス。オルフェウス教団の一員さ。シャインブレイブ……とその仲間の皆さん、一緒に彼女を倒さないかい?」


「あんたなんかの話誰が信じるのよ?」


「信じるか信じないかは自由さ。でも、このままじゃ全滅だ。これは利害の一致。悪い話ではないと思うが。」


「分かりました。私達、あなたと協力します!」


第32話 マルバスとの共闘!


必ず、読んでね!

最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

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