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シャインブレイブ!  作者: finalphase
第2章 ようこそ、あたしの世界へ!
26/52

第26話 悲しき末路

 その時――眩い光が空を裂いた。

 時空の歪みの中から、私たちシャインブレイブが姿を現す。


 私と凜華、そして遥。

 ついに「安らぎの世界」からの脱出に成功したのだ。

 だが、そこに立っていたルシフェリアの顔は、怒りと困惑に歪んでいた。


「……あんたたち、どうしてすぐ出てこられたのよ? せっかく、あたしが“幸福な世界”を作ってやったのに!」


 その声には、怒鳴りながらもどこか哀しさが混じっていた。


「作ってやった? 何様のつもり?」

 凜華が鋭い眼光で睨む。

「私たちの世界は、誰かに与えられるものじゃない。――自分の手で作るの。」

 遥が静かに言葉を継いだ。


 私は二人の言葉を聞きながら、どうしても気になっていたことを口にした。


「ルシフェリアさん。あなたは……どうして“苦しみのない世界”を作ろうと思ったんですか?」


 一瞬、彼女の瞳が揺らいだ。

 長い沈黙の後、ルシフェリアはかすかに笑った。


「それはね……苦しみがない世界なら、不幸な人が減ると思ったからよ。

 あたし、昔は“天才”って呼ばれてたの。

 世界的なピアニストになれるって、みんなに言われてた。

 でもね――事故で全部終わったの。」


 彼女の指先が震えていた。

 ピアノを弾けなくなった手を、何度も見つめるように。


「夢を失ったあの日から、あたしの時間は止まったの。

 だから考えたのよ。

 “もし、誰も苦しまずに生きられる世界があったら”って。

 それが、この世界を作ろうと思った理由。」


 彼女の言葉に、私は胸が痛くなった。

 きっと、本当は優しい人だったんだ。

 ただ、壊れてしまっただけ。


「ふぅん……要するに、あんたも心が弱い人間のひとりだったってわけね。」

 凜華が冷ややかに言い放つ。

「でも、それは傲慢よ。

 自分の痛みを世界に押し付けただけ。

 ――私たちは、現実から逃げない。今を生きてる。」


 彼女が静かに弓矢を構えた。

 その矢先に、淡い光が集まっていく。


「凜華、待って!」

 私は彼女の腕を掴んだ。


「何よ?」


 私はゆっくりとルシフェリアへ歩み寄った。

 その瞳の奥に、かすかに涙が光っているのが見えた。


「ルシフェリアさん、あなたは今、幸せですか?」

 私の声が震える。

「夢を叶えられなくても、幸せになれる方法は、きっとあります。

 だから――」


「うるさい! うるさいうるさいうるさい!」

 ルシフェリアが叫んだ。

「何が分かるのよ! あんたらにあたしの何が分かる!?

 人生ってのはね、勝つか負けるか、生きるか死ぬか。それだけよ!

 夢を叶えられなかったあたしなんて……生きてる価値もない!」


 彼女の体が震える。

 絶望と怒りが混じった涙が、頬を伝った。


「哀れなあたしを倒してみなさいよ!

 中途半端に優しいあんたたちに、それができるの!?」


 次の瞬間――ルシフェリアが光をまとい、全力で襲い掛かってきた。

 その勢いは、まるで自分の存在すら壊そうとするかのようだった。


「プリズルミナスブレイク!!」


 凜華の放った矢が、光の軌跡を描きながらルシフェリアの胸を貫いた。


「……あぁ、そうか。これが……終わり、か……」

 彼女の唇がかすかに動く。


「何だったんだろう、あたしの人生……。

 ねぇ、お願いがあるの。

 あたしが消えたら……“朽ノ木林”にいる哀れなモンスターと、決着をつけてあげて……。」


 ルシフェリアの体が光の粒になって、ゆっくりと空へ昇っていく。

 その瞳には、ほんの少しの安らぎが宿っていた。


 ルシフェリアが悲しそうに呟く。彼女の身体は儚い光となって消えた。そして、悲しみの静寂だけがそこに残った。




【次話予告】


私たちは、ルシフェリアの最後の望みを叶えることにした。


凜華と遥、それから鈴木さんと私の4人で、朽ノ木林に向かう。


そこにいる悲しいモンスターと決着を着けようとした時、

信じられないことが起こる――!?


第27話 凜華暴走!?


必ず、読んでね!

最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

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