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シャインブレイブ!  作者: finalphase
第2章 ようこそ、あたしの世界へ!
22/52

第22話 心霊林に突入せよ!

 あれから、私はほとんど自分から2人に話しかけなくなっていた。

 あの時のことが、どうにも恥ずかしくて。不甲斐なかったからだ。大口を叩いたくせに、結局は凜華に助けられることになった。

 もしあの時、彼女が来てくれなかったら――私はきっと、もうこの世にいなかった。そう思うと、彼女の存在の大きさが胸に沁みた。

 でも、私は多分、凜華に甘えすぎている。苦手なことがあったくらいで弱音を吐くようじゃ駄目だ。

 ――もっと強くならなきゃ。

 そう、心に誓った。


「つまり...ネガティブな感情を実体化できる、ってことですか?」

 遥は凜華の言葉に目を丸くした。

「そう。ひかりによると、その女の名前は“ルシフェリア”っていうらしいの。かなり厄介な敵よ。ひかりも、私が駆けつけなかったら危なかったみたいだし。遥も気をつけなさいよ。」

「うぅ……その節は本当にごめんなさい……」と私。

「分かりました。」

 遥は小さく頷いた。


 学校に着くと、私と凜華は2年の教室へ、遥は1年の教室へ向かった。

 教室に入ろうとしたその時、見知らぬ女子の声が聞こえた。

「早乙女さん、だよね?」

 声の方を見ると、他クラスの女子5人が立っていた。先頭にいた、目立つ雰囲気の子が一歩前に出る。

「私は清水天音。私たち、早乙女さんにお願いがあるの」

「お願い?」

「うん。学校から少し離れた“朽ノ木林”って知ってる?」

「知ってるけど?」

「実は……そこ、出るらしいの」

「出る? 何が?」

「……幽霊、だよ」

「はぁ?」

「今日、私たちその林に行くつもりなの。だから、早乙女さんにも一緒に来てほしくて」

「ふん、馬鹿ね。幽霊なんているわけないじゃない。付き合ってられないわ」

「待って!」

「まだ何かあるの?」

「早乙女さんって、本当に綺麗だよね」

「……それが何?」

「うちのクラスで噂になってるの。早乙女さんには“不思議な力”があるって...」

 凜華は、天音の瞳を静かに見つめた。

「実はね、うちの親戚のお兄ちゃんが、その林に行ったきり帰ってこないの...」

 天音の話はこうだった。――半年前、彼女の兄が、亡くなった恋人が林の中で手を振る夢を見て、そのまま林へ向かった。それ以来、行方不明。

 警察が捜索を行ったものの、彼は見つからず、捜索に入った警察官たちまでが行方不明になったという。

 天音は兄が生きている可能性が低いと分かっていながらも、せめて何が起きたのかを知りたいと訴えた。

 凜華は、その想いを無視できなかった。

「……分かったわ。ったく、しょうがないわね。」


 朽ノ木林――そこは予想通り、ただならぬ気配に満ちていた。

 木々のざわめきの奥に、何かが潜んでいる。

 ルシフェリアが生み出したモンスターが、そこにいたのだ。

 それは怨霊の集合体。恋人に会いたい、上司が憎い、自分をいじめた相手を許せない――そんな死人たちの未練が絡み合い、巨大な怨念の塊となっていた。しかも厄介なことに、実体を持たないため、コンパクトでは反応しない。


 天音たちと凜華は、恐る恐る林の奥へ足を踏み入れた。

 その瞬間――一本の木から、白い手が何十本も生えてきた。

 それが彼女たちの身体を掴もうと襲いかかる。

「きゃあっ!」

「みんな、下がって!」

 凜華はコンパクトを握りしめ、叫ぶ。

「光よ、私に新たな力を――プリズ・ルミナス・ブレイク!」

 眩い光に包まれ、凜華は変身した。

「早乙女さん……今の、何!?」

「話はあと! プリズルミナスブレイク!」

 放たれた水色の弓矢が、白い手を切り裂いていく。

 だが、手は何度倒しても再生し、やがて呪いが一点に集まり、黒い霧のような塊となって禍々しい殺気を放った。


 凜華は冷静に状況を見極めようとする。

 この敵には弱点がない――いや、あるとすれば“林の外には出られない”ことくらい。

 正面から戦っても勝ち目はない。

「みんな、早く逃げて!」

 天音たちが逃げ出すのを確認すると、凜華は弓を構え続けた。

 しかし次の瞬間、足元から無数の手が飛び出し、凜華の足を掴む。

「くっ……!」

 悲鳴を上げた瞬間、彼女の中の何かが弾けた。

 凜華の瞳が、不気味な赤に染まる。

「私は――神に最も近い存在。神に逆らうな」

 低い声でそう呟くと、凜華は闇の塊に向かって矢を放った。

 同時に、怨念の塊も憎悪の光線を放つ。

 互いの光が空中で激しくぶつかり合い、林全体が震えた。


 どれほど時間が経ったのだろう。

 目を開けると、天音たちが心配そうに覗き込んでいた。

「早乙女さん、大丈夫? 林から出たところで倒れてたの」

「……私、どうなってたの?」

「みんな、すごく心配したんだよ」

「そ。ありがと」

「でも本当に、早乙女さんって特別な力を持ってるんだね。驚いちゃった」

「そのこと、他の人には言わないでくれる?」

「分かった。親戚のお兄ちゃんのことは結局分からなかったけど……命を助けてもらったし、それくらいのことは約束するよ」

 凜華はうなずきながらも、心のどこかで引っかかっていた。

 ――林を出るまでの記憶が、まるでない。

 私は、どうやってあの林から出たんだろう……?




【次話予告】


現れたモンスターの標的は幼い子ども!?

弱い者ばかり襲うなんて、絶対に許せない。

モンスターの元へ急ぐ私たちの前に、ルシフェリアが姿を現す。

彼女の真の目的とは――?


第23話 ルシフェリアの目的


必ず、読んでね!

最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

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