シャインブレイブ、大ピンチ!?
その日、政府から緊急事態宣言が発表された。
理由は――モンスターが街を襲っているからだ。
学校も会社も一斉休業となり、私たちも当然、家に帰るよう指示を受けた。
けれど、私と凜華と遥は、途中まで下校する“ふり”をして、モンスター出現地点へと向かう。
モンスターは、私たちの通う中学から少し離れた光ヶ丘中学校に現れていた。
校舎も周囲の建物も、容赦なく破壊していく。
「二人とも、行くわよ!」
「うん!」
「はい!」
凜華の掛け声に、私と遥が頷く。
「光よ、私に力を! プリズムシャインブレイブ!」
「光よ、私に力を! マジカルシャインブレイブ!」
「光よ、私に力を! ミラクルシャインブレイブ!」
三人同時に変身する。
「プリズムシャインブレイク!」
凜華の放った矢を、モンスターはあっけなく跳ね返した。
口から火炎を吐き出し、反撃してくる。
「ミラクルシャインバリア!」
遥が咄嗟にバリアを張るが、火炎はそれすら貫通し、私たちはまともにダメージを受けた。
「あっつ……!」
思わず声を上げる私。
「怯んでないで、一気に決めるわよ!」
「わかった!」
「分かりました!」
凜華の頼もしい掛け声に、再び立ち上がる。
「プリズムシャインブレイク!」
「マジカルシャインブレイク!」
「ミラクルシャインブレイク!」
三人の同時攻撃。
しかし、それらも一瞬で弾き返された。
モンスターの触手がうねり、私たちの身体を拘束する。
その表面は灼けた鉄のように熱く、腕に絡みつく。
「あっ……!」
焦げた匂いが立ちのぼり、皮膚がじゅっと音を立てた。
耐えきれず、涙が滲む。
――その頃。
人間の創始者・デウスは、彼女たちの戦いを静かに見守っていた。
「デウス様、見守るだけでよろしいのですか?」
眷属ノクティスが問う。
「ええ。信じましょう、彼らの力を。
この困難は序の口です。
彼らは未来、更なる試練を乗り越えねばならない……」
一方その頃、オルフェウスと対話する一人の若い女性がいた。
彼女の名は――八重森綾乃。通称、ルシフェリア。
かつてピアニストを目指していた彼女は、事故で指を失い、夢を諦めざるを得なかった。
やがて世の中を憎むようになった彼女に、オルフェウスが声をかけたのだ。
彼が彼女を選んだ理由――それは、綾乃が持つ特殊な力にあった。
彼女は他人の精神に干渉する能力を秘めていたのだ。
「オルフェウス様、シャインブレイブ……彼らはいったい何者なのですか?」
「話せば長くなりますね。
この世界の神、デウスは太古の昔、あらゆる生き物を創りました。
昆虫、爬虫類、哺乳類、鳥類……
その中で、唯一“特別な存在”がいた。それが――人間です。
人間は時に、生きるためではなく他者を傷つける。
そのことを知った神は、いずれ特殊な力を持つ人間が現れた時、
その力を悪用するのではないかと危惧した。
――そして、そうした人間を抑制するための“制御装置”として生まれたのが、
シャインブレイブなのです。
彼らの手にするコンパクトは神からの贈り物。
首元のブレスレットの宝石は、彼らの生命と精神状態を示しています。
万全な時は緑に輝き、弱れば茶色く濁る……それがあの宝石の意味です。」
綾乃が視線を向けると、三人の宝石はいずれもまだ緑の光を失っていなかった。
凜華とひかりの輝きは眩いほどで、遥の宝石も少し濁ってはいるが、まだ緑の方が勝っている。
「オルフェウス様……私たちは神にとって“穢れ”のような存在なのでしょうか。」
おそるおそる問う綾乃。
「デウスから見れば、そうかもしれません。
しかし、我々にも我々なりの“正義”がある。
たった一つの尺度で善悪を決めるのは、傲慢というものです。
私は――人間の中で最も神に近い存在。
ただ、デウスとは考え方が違うだけのことですよ。」
その言葉の意味を反芻しながら、綾乃は戦いの行方を見つめていた。
――あまりの熱さに意識が遠のいていた私。
それでも、心の奥で声が響いた。
「こんなんじゃ、駄目だ……。
みんなを守れない。志乃みたいに、もっと強くならなきゃ。」
その想いは、凜華も遥も同じだった。
次の瞬間、私たちの身体が――神々しい光を放つ。
【次話予告】
“みんなを守りたい”という私たちの強い想いが、奇跡を呼び起こす。
モンスターの触手から解放された私たちは、新たな力を手に入れる――!
第14話 奇跡の力、ルミナスモード!
必ず、読んでね!
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第14話は明日21時に投稿します。




