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ほんの瞬間少女の瞳ツノのある東館

作者: 小波

ツノってなんのためにあるかわかる?

ツノってあのツノ?オニのやつ?

大きなオレンジがまるごと添えられたサワーをぐびりぐびりとしながら目だけでうんうんと言った後、やっとひと心地着いたという表情をする。

あれはね、悪性新生物みたいなものでね、満たされなかった思いが突出して出来上がるのっ!

うんと、がんは確かにストレスとか聞きますけど?怒り?ですか。

ぷんぷんしてるうちに生えてくるの。

人もそんな言い回しあるじゃない?

だとすると鬼って元々ひとなんですか。

‥だと思います。

こわいですねぇ〜

でっしょう〜

そう言うと先輩はもう絶対果汁が出なさそうなオレンジをツノみたいな例の絞り機に擦り付けている。

オレンジ泣いてますよ。もうかわいそうですって。

泣かないよう。泣いてるのは果汁ですっ!酔っ払いの会話は面白いなぁと宴会の隅の二人を眺めている。

ここはツノのある東館。畳の上でゆったり飲めてレトロに目をつけた若者に人気がある。

なんでここツノがあるっていうキャッチコピーついたんですかね。

それはあ、ツノは性的な何かを刺激するイメージが酔っ払いにウケたからだよっ!何言ってんですか。あたま、大丈夫ぅ〜

相変わらずクタクタのオレンジの皮に執心している先輩。のべつまくなし耳なし芳一だな〜。と私は微笑む。

座敷からは仕切りのない厨房が全部見通せた。なんだかその奥にツノが生えてる板前が見える。やぁーおでこの豆絞りだよね。大あくびがでたけど甘エビを啜る。

目の端のオレンジ色とただのわがままな酔っ払いとそれに片思いする後輩はうちのゼミ生だ。私は一応酔ってないつもりなのでツノが何のためにあるのかの続きが聞きたい。

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