本論
次の日、とてもいい事が起こりました
その日も気温がとても高く、昼休みは外に出ては行けないと放送が入りました
それにみのるくんのいるクラスはその日、外に出る授業はありませんでした
午後の授業は学年で修学旅行のレポート作り
つまり、みのるくんのクラスが靴を見ることはその日1日なかったわけです
放課後、下駄箱に荷物を置いて部活動に向かいました
出席をとって各自の作業に移ったタイミングで、まみちゃんが先生を職員室に連れていきました
今しかない
めいちゃんと二人で走って下駄箱に向かい、靴をカバンに入れて女子トイレに逃げました
女子トイレで靴紐を真っ二つに切りました
ハサミの刃を入れた瞬間、もう後戻りはできないんだなと実感しました
靴紐を切ったら急いでまた下駄箱に戻り、靴を戻しました
部活動に戻る途中、冷や汗なのか暑さのせいなのかわからない汗でぐっしょりになっていることに気が付きました
罪悪感、不安、そんな気持ちよりもやってやったという気持ちの方が大きかったです
部活動に戻り、先生とまみちゃんに「荷物置きっぱなしだったの忘れてた」と笑顔で伝えました
その日はほかの友達と部活動を早退しました
あまり意味は無いけれど疑われた時、その子が庇ってくれるように
まみちゃんとめいちゃんは1歩も部室から外に出ない事で、これまたあまり意味のないアリバイをつくりました
帰宅してから2人にどうだったか聞いたら
学年の先生達が全員集められて、まみちゃんだけ先生に呼び止められたそうです
私はその時、絵で大きな賞をとった時よりも、テストで7位をとった時よりも、新聞に載った時よりも、嬉しさと清々しさを感じていました
明日になるのが待ち遠しかったです