合コン
その次に行ったのが5月21日(水)
思い切って沙良に「ねぇ、合コンでもしない?」
本当は二人きりが良いけれど、仕事柄お客さんにはよく誘われるだろうから、いきなり二人きりだと警戒されるかなと思ったので。
「えっ、合コン?」
沙良は少し驚いた感じで答えたので慌てて
「あ・・・あの・・・
無理しなくて良いよ・・・(汗)」
「合コン・・・二人で逢うならならいいけど・・・」
意外にも沙良を誘ってみたところ、合コンではなくて二人で逢うことになった。
「前から・・・電話番号を教えてもいいなと思ってたんだ・・・。
でも、誘ってくれると思っていなかったから・・・」
「本当?お客さんからいつも誘われているだろうし彼もいるから、誘ってもダメかなと思ってたんだ。
それと・・・実は初めて見たのはこの店でなくて店の前の路上で偶然すれ違ったんだ。
その時に可愛いなと思ってそれから来るようになったんだ」
「へー、道で会ったの。気が付かなかった」
「そりゃ、気が付かないよ。こっちも一瞬だったから本当にすれ違った人かどうか店に行くまで分からなかったし」
その時に初めて最初に見染めた時の話しをした。
そして、お互いのメルアドと電話番号を交換しました。
それから、約束して1週間が経ったぐらいに沙良からメールが届いた。
≪こんにちわ (^^)
今週休暇になりました。
お仕事忙しいですか?特に予定はないので良かったら連絡して下さいね ♡≫
暫くケータイの画面に釘つけになっていた。
そして心の中で小躍りをしていた。
今まで女性からメールを初めて貰った時にこれほど嬉しいと思ったことはない。
ケータイは割りと早めの1995年頃から当時は飲食店経営をしていたから持っていたが一般にケータイが普及し始めたのは2000年頃からだったはず。
かつて、バイトの子とはメールのやりとりをしていたけれど、元々は仕事の関係でメルアドを公開していたのでメールの送受信はごくごく当り前のことだったから。
ただ、気が付いたら仕事なのか個人的な内容なのか曖昧になって、いつのまにか一緒に遊びに行く約束を交わすようになるのは多々あったけれど。
でも、今回は夜職とはいえ好みの沙良である。
しかもデートの約束なのでとても嬉しかった。
一本のメールがこれほど嬉しいものであるということを40代になって初めて気が付かされた思いで胸が一杯だった。