# 雨と死にたい
雨とは厄介なものだ。
どんなに気分がよくて、調子がよくて、愛すべき家族や恋人がいたとしても、雨は人々を不安にさせる。
体調が悪い時はなんてないことで落ち込んでしまう。雨が降っているときもなんてないことで落ちこんでしまう。
だから、私は梅雨が大嫌いだ。たいてい人生の悪いことは6月に起きる。
あれもジメジメした、梅雨のある日のことだった。
僕は死にたかった。
大量の課題で束縛ばかりしてくる中高一貫校を退学になるかもしれない。ただそれだけで。
私は三者面談の教室にいた。
目の前には放任主義の数学教師、右隣には「成績なんてどうでもいい」が口癖の母親。
そして机の上には学年ワースト2位の成績表。
教室も最悪のムードだった。
担任は僕にこのままでは進級が危ういことを淡々と告げ、私に教室の外で待機するように言った。
そこで何が話されたのかは、数年たった今でもわからない。
結局僕は6年後その学校を無事に卒業し、世間的には優秀とされる大学に進学した。
そんなくだらない学校辞めてしまえばよかったのかもしれない。
ただ僕は絶対に辞めたくなかった。
同じクラスの女の子に恋をしていたから。
そして僕は今、死にたい。
大学の必修科目の単位を落したかもしれない。ただ、それだけで。
もしかしたらそんな大学辞めた方が楽しいのかもしれない。
ただ僕は大学を絶対に辞めたくない。
同じ学部に好きな女の子がいるから。
結局のところ、何年たっても同じようなことで悩むのだろう。
どうせ苦悩は尽きないし、不安ごとの9割は現実化しないと何かで読んだ。
だから、気楽に今を楽しく生きていけばよいのだろう。
人生とは螺旋階段のようなもので、昇っている本人からすると同じことの繰り返しかもしれないが、傍 からみれば、着実に成長している。
だからまだまだ僕は生きていたい。