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ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
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【9杯目】機甲騎士団➀

ちょっとテイストを変えてみました。

完全オリジナルストーリーです。

タイトルの通り、機甲騎士団にスポットを当ててみました。

今日も店を開けるとしますかね。



っと、準備をしていると兵隊の一人に呼び止められた。


「…お前、雪宮千冬か?無事とは聞いていたが」

「そうか、その服……機甲騎士団の制服か。所属を聞いても?」

「私は戦車乗務員だ。お前、特務狙撃兵だったよな?」

「ああ、そうだよ。しがない鉄砲玉部隊さ。で、今日は?」

「今のお前は国付き傭兵だったよな……ならいいか。連携訓練の前打ち合わせだ。

今日は簡単な内容だからな、帰りに寄らせて貰う」

「ああ、わかった。一人か?」

「いや、もう一人連れてくる。では、また」


そう言うと去っていく。軍靴の音を立てて。




「………と、いう事がありまして、あの席は予約です」

「そうかそうか、千冬嬢ちゃんの昔話が聞けるかの」

「なんじゃ、面白そうじゃな」

「何も面白いことはありませんよ。それと『嬢ちゃん』ではありません」


いつものやり取りが行われる首都の一角のしがない酒場。

そんな場所に軍服の男と…この場に似合わない華やかなドレスの女。

「千冬、来たぞ」

「いらっしゃいませ、こちら(テーブル)をお取りしていました」

「いや、お前との話をしたい。カウンターでいいか?」

「構いません。では、こちらにどうぞ」


男が女に席を引いている。

予約席の札は草野が片付けてくれたようだ。


「改めてまして、いらっしゃいませ。バーテンダーを勤めている雪宮千冬と申します」

「あら?店長ではなくて?」

「店長兼オーナーはあの端で飲んでいる甲冑の男、夜叉騎士と申します」


夜叉騎士が鷹揚に立ち上がり、挨拶をする。


「今宵は御来店頂き有難う御座います、当店オーナーの夜叉騎士で御座います。

御用はバーテンダーの千冬にお申し付けください」


夜叉騎士はそう言うと着席し、再度飲み始めた。


「すみません、無愛想なオーナーで。お気を悪くしていなければご注文ください」

メニュー表を広げつつ、謝るように言う。

あの無愛想さえなければ、それなりの男なんだがね。


「私は……このおすすめのスパークリングワインでいいわ、あなたは?」

「私はそうだな、そのジンをロックで頂こう」


お通しのミックスナッツを出しつつ注文を受け付ける。

夜叉騎士の態度は特に気にしていないようで良かったよ。


「承りました。フードのメニューも置いておきますので、よろしければどうぞ」


フードのメニュー表も見ていてくれているようで何よりだ。

さっと飲み物を準備し、それぞれコースターに置いた。

「………どうぞ」


「「乾杯」」

カチンと杯を合わせる。

お互いに口をつけ、杯を置いたところで男に私から尋ねたんだ。


「ところで紹介頂いても?」

「…ああ、そうだったな。今度結婚する予定の人だ。歌い手をしていてな。

売れているんだぜ」

「ん、もう…初めまして、千冬さん。とある劇場で歌い手をやっています。

以前の同僚とお聞きしました。宜しくお願い致しますね」


「そうだ、今日はこの後に劇場で出る予定だったんだが、キャンセルになったんだ。

飲み明かそう。千冬に会ったこともあるしな」

「駄目でしょ、明日も会議があるって言ってたじゃない」

「ふふっ……失礼。早速、尻に敷かれているんですね」

「あ、いや、まあ………そうだな、ああ」


しどろもどろになる男。

それを周りが見ていて微笑む。

そんな楽しい夜だった。

今回は何話続くのだろうか……

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