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ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
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【41杯目】夜叉騎士の受難⑥

くーを再びベットに寝かせ、一息つくと日が差してきた。

一度解散して男と女は魔導科学省へと帰り、夜叉騎士と私は睡眠を取る。


仕込みをし始めるために起きると、秋音姉さんが目の前にいた。


「千冬ちゃん、どうなっているの?」

「ええぇ?私に聞くんですか?本人がいるのだから、本人に聞けばいいじゃないですか」


ふと横を見ると、そばのソファーで仮眠を取っていた夜叉騎士はいなかった。

追及から逃げるように店に向かうと、上半身は裸で下半身にルーズなズボンをまとっている夜叉騎士とくーが何やら言い争っている様だった。


「おにーちゃん、そんなねんれいのからだになったんだから、おさけをのんじゃだめだよ」

「小官の身の扱いは自身こそが最も熟知しておる。故に憂慮には及ばんぞ、草野よ」

「めーーっ!」


そっちはそっちで何をやっているんだか。


「ねえねえ、千冬ちゃん。だから、夜叉騎士くんはどうなったのって」

「見ての通りだよ、秋音姉さん。そして、原因は省略して言うと魔導科学省。これだけで分かるよな?」

「あ、はい…」


しょんぼりする秋音姉さん。


「でも、かわいくなったね。私ももふもふさせて貰おうかしら」

「姉さんなら怒られないとは思いますが、あれはどうするんです?」

「まっかせて!」


秋音姉さんは言い争いしているふたりに近づく。

そこでひとこと。


「まずは私にもふもふさせなさい!」


啞然とするふたり。

そして、あきらめの表情へと移っていく。

それは言い出したら聞かない秋音姉さんのキラキラした表情が見て取れたからだろう。


そしてもふもふする秋音姉さん。

夜叉騎士の身体の色々なところをもふもふするが、腹の付近で拒絶反応を示す。


「其処は流石に控えて貰いたい。尾の方で在れば多少は忍耐する故、勘弁して頂けるか」

「ええーー、しょうがないなぁ。貸し一つね」


そして、思い出したかのように続ける。


「あ、その貸しでね、お願いがあるの。それはね…今日のお酒は控えること!」


ぱぁっと明るい表情になるくーと対照的に暗い顔になる夜叉騎士。

これは勝負があったな。


そんなやりとりをしていると魔導科学省の男女二人が戻ってきた様だ。

それとこの地域には異質な駆動音がうなりを上げて近寄ってくる。


「すみません、お邪魔してよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ。お店側の方から入ってくれ。看板は『close』なってるが、幕は閉じていないから」


私がそう返答すると二人は入ってくる。

急いで準備をしたのか、いくぶんか疲れた顔と見て取れる。

隣には某軍隊のMUTT(多目的戦術輸送機)を小型にしたような運搬車両が研究機材を乗せて姿を見せる。


「あ、これですか?省内での研究成果です。使用者の魔力を増幅させて動力源としている優れものですよ、重宝しています」


へぇ、自分が軍に所属しているときにこんなものはなかったな。


「そうだ、言い忘れていたよ。研究機材はこちらじゃない。店ではなく、隣にテントを張ったからそっちにしてくれ。

 ここ経由で繋がるように建ててあるよ。

 寝場所は奥でな。私たちの部隊で借りている建物だ、部屋数とベットは足りている筈だ」


そう私が指示するとテキパキと動き出す。

流石は研究をひとつ任されるベテランの魔導科学省の職員だ、作業に問題は無さそうに見える。


「その機材はそちらに置いてください。そうそう、そのレイアウトでいいです。検体保管用の倉庫はこちらに置いてください」

「ええと、おーい、これは?」

「それは倉庫の隣でお願いします。すぐには使わないでしょうから」


本来ならば男の方が上司であるが、この研究の主体は女の方であるため、女の指示に男が従う。


そして、簡易的に研究室が整うと早速、夜叉騎士が呼ばれた。


「こちらに来ていただいていいですか?そして、ここで横になってください」

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