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ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
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【31杯目】くーの小さな冒険④

― 草野視点 ―


「……………みゃ、う?ここ、どこ?」


キャリーケースを抱えたまま草野は辺りを見回した。

無機質で近代的な作りの壁の廊下の様だ。


「ぬおっ、うおっと」


天月が転がり込んで来たと同時に黒い靄は消えていく。

なぜいるかと不思議に思いつつも天月に声をかける。


「天月おねーちゃん、どうしたの?だいじょうぶ?」

「うむ、大丈夫じゃ。くーは怪我をしてないかの?」

「みゃ、くーはだいじょうぶなの。それで天月おねーちゃんはどうしてここに?」


首をかしげる草野。

うっ、と内心は思いつつ堂々と答えを放つ天月。

そんな構図。


「た、たまたま散歩で見かけてのう、危ない場面じゃったから、飛び込んだのじゃ」

「えーーふだんのおねーちゃん、そんなことしないよぅ。おもしろがったんでしょ」

「ちょっとはそういう気持ちもあるが…のう。そ、それよりもここは見たことがある気がせんかの?」

「うーーーみゃ?あ、ここ、まえにきたことあるよ、たぶん」

「やはりそうじゃろう。ただ、はっきりと何処とまではわからんがの」


天月おねーちゃんにたたせてもらいながら、きょろきょろみわたしてみる。

どこからか、しったあんしんするにおい?くんくんくん……みゃ、このにおいは。


「こんな所でどうしたんですか?天月さんに草野さん」

「キルシュおねーちゃん!」

「キルシュ嬢!」


同時に叫ぶ草野と天月。


「な、突然どうしたんですか?しかもこんな廊下でぼーっとしていて。何かあったんですか?この本部で」

「えっと、えっとね、キルシュおねーちゃん、あのね、えっとね」

「草野さん、落ち着いて。はい、深呼吸。すーはー」

「みゃ、すーーはーー」

「ん…で、くーが落ち着いたところでじゃ。妾の方から話そうかの」


キルシュおねーちゃんにこれまでのおはなしをする天月おねーちゃん。

あれ?なんでそんなことまでしってるの?


「……と、いうわけじゃ」

「そうですか。この本部はそういう事が起こりにくい様に防護していますが、ホールがここまで出てくるとは。

どうしても処分しきれない押収品の影響かもしれません。長官に言って再度対策を講じなけれ…」

「ちょっと待て、キルシュ嬢よ。先のことも大事じゃが、目先の事も考えよ。妾達はどうしたら良い?」


ちょっと考えるキルシュ。

答えを出したようだ。


「天月さん、要件は受領しました。

けれど、証人としても安全の確保としても来て頂けませんでしょうか?」

「ふーむ、許容範囲内じゃの。妾らはどこに向かえばいいのかの?」


そんなやり取りのなか、草野が控え目に天月の袖を引っ張りつつ質問する。


「天月おねーちゃん、どこいくの?」

「妾にもわからんわ。が、悪いところじゃないじゃろう。多少の不便はあるかも…じゃがの」


「…こちらです、天月さん、草野さん」

通されたのは立派な応接室だった。

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