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ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
25/27

【25杯目】奇妙な依頼⑥

引き続き老兵目線です。

では、次に行きましょう。

海岸の街に向かう馬車の中にて。


「そういえば、老兵じいさん」

「なんじゃ?」

「ひとつ不思議なことが。どうして(おねえさん)を誘拐まがいなことをしたんでしょう?

老兵さんを害したいなら直接すればいいし、僕に対しても同様に」

「それは分からんのう。全容を把握した訳じゃ無いからのう、相手の目的も知らん。

なるべく早く現地に着いて、情報を集めるしかなかろうて」

「確かにそうですね。早く動ける様に準備しましょう」


着いて早速動き出す老兵、メカニック。


同じ轍を踏まない様に信頼を置ける人物をメカニックの護衛としておく。

調査した結果、相手はどうも主に2つの目的があるようじゃ。


・メカニックを奴隷化して自部隊の装備の整備させる

老兵の部隊(なもなきようへいだん)の隷属化または無力化


正直言って儂の部隊を無力化したところで大した影響力はないと思うがの。

が、他者は違う様に見えるモノじゃな。





メカニックと合流して情報を照合した後、例の倉庫街に向かった儂ら。

手紙にはメカニックと儂の二人で来いとの指示じゃったから従った。

内容から察するに当然じゃな。


「ここら辺ですね」

「ううむ、地形はあちらに利がありじゃ、隠れとるのもぎょうさん居ろうて」

「そうですか、戦闘に関することは疎くてすみません」

「謝るこたぁはないわ。人にはそれぞれの領分がある。儂は戦闘、メカニック(おまえ)は支援。

儂に後方支援や装備の修復は出来ん。そういう事じゃ」

「あ、はい。わかりました。自分の出来ることを頑張ります」

「それでええ、それでええ」


おっと、あちらさんが姿を現したな。


「老兵、メカニック、確かに二人で来たな。先ずは度胸を褒めてやろう」

「そういうお主は仰山、人を連れているがの」「…確かに」

「ふん、こいつらは同志だ。私に賛同した者達だから連れてきて当然だ」

「屁理屈は上手いのう。で、娘は無事かの?」

「…おい、連れてこい」


一人の男に連れて来られる女性むすめ

初めての場所で覚束ない足取りだが身なりはきちんとしており、暴行等は受けた様子がない。

ひとまずは安心じゃ。


「老兵さん、すみません。こんな事態になってしまって……」

「佳い佳い。儂の方こそ対策不足じゃ。お互い様じゃて」

「何をくっちゃべっている。話を許した覚えはないぞ」


少し苛立っているように見えるのう。

そっちが優位なんじゃ、もう少し堂々としていてよかろうに。


「久しぶりに会うたんじゃ、少しぐらいよかろうて。そのぐらいの度量は示して欲しいものじゃ」

「ぐっ、仕方ない。が、要求出来るのはこちらだということを忘れるなよ」

「わかったわかった。で、要求とはなんじゃ?」

「それは……」



情報通りの要求じゃ、捻りがないのう。

筒抜けということは、この国の当局にも察知されているかも知れん。



「要求はわかった。が、飲むわけにはいかんのう。いかんいかん。実にいかんのう。

暴力での要求に屈するのは、次を生む。応えるわけにはいかんのじゃ」

「そうか、だったら少し痛めつけてやる。要求を受けるまでな」


あいたたたた、数人の人間による暴行が儂にあった。

幸いまだメカニックには手を出していない。

整備の腕をやる訳にはいかんのじゃろ、いつまでそれがもつかわからんがの。


「……で、受ける気になったか?」

「儂がそう簡単に折れると思っとるのは心外じゃなぁ。相手はもう少し調べてからがよいぞ」

「なにを!?くそじじいが」


ほれ、儂にかまけて油断していると……。

海岸の街、としたのは単純に街名を忘れたからです。

わざわざ海岸にしたのは意味があるつもりが、違った恥ずかしさ。

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