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ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
18/27

【18杯目】機甲騎士団⑩

久しぶりにBarの営業風景。

業務日誌、とは………。

「こほん、失礼。ここは夜叉騎士という傭兵の経営している酒場と聞いたが」

「いらっしゃいませ、確かにここのオーナーは夜叉騎士が勤めています。

それでどの様な用件でお越しになられたのでしょうか?お酒とお食事の提供はしていますが」


ちょっと皮肉。大人げないね、私。


その男は私を振り切り鷹揚にカウンターの女に近づいていく。


「やはりここにいたか、探したぞ。帰って話がある。帰るぞ」


連れ出そうと女の腕を掴みかけたところで、私は遮る。

店の信用に関わるじゃないか。

※建前


「お客様。他のお客様に迷惑を掛けることは、この店では禁止されております。

どのようなご用件でしょうか?」

「貴様!子爵閣下に盾突くか!」

「でしたら、きちんとご用件を仰ってください。客同士の争いを止めるのも店員としての業務ですので」

「ふん。儂はこの女に用がある。わかったか。さっさと通せ」


突然のことに女は困惑気味。

男は軍人だけに場馴れしており、静観の様子だ。


「あ、あ、あの……」

「お客様、失礼致しました。ししゃくそのぶかが鳴いている様でしてご迷惑お掛けしま した」


例の子爵とやらは顔を赤くしている。

その部下も怒り心頭の様だ。

実際に煽ってるからね、これで怒らなかったら鈍すぎるよ。


「な、な、ななな、なんだと!?貴様!!」

「「「「「この狼藉者!」」」」」

「では、何故この様な他のお客様に迷惑を掛けることを?仰って頂きたく存じますが」

「…くっ、もういい。こんな茶番は辞めだ!こいつらを始末して我が団の禍根を断つのだ!」

「!?」


そのとき、子爵の部下とりまきのうち、3人が声を発する事もなく倒れた。

その傍には夜叉騎士が立っている。


「「「うぐぅ………」」」

「気絶させただけだ、後々の交渉材料にな」


機械サイボーグの男は女の前に立ち庇う姿勢を見せていた。

おお、やるじゃない、男の子はそうじゃなくちゃ…ね。


よっと、私も残りをふん縛って…と。

裏方はこんなもんさ。



「むにゃむにゃ、みゃう~~千冬おねーちゃん、なんかあったの?」


こんな時に草野くーが昼寝?から起きて来やがった。

相変わらずの最悪タイミングだな。


子爵が草野を捕まえちゃったよ。最悪の展開。

あーーやりすぎなければいいなぁ。


「こ、これが見えぬか!儂に近づいてみろ!!さもなくば………」


夜叉騎士の発する威圧感。

子爵はへたり込み、黄色い水溜りを作成した。

ててててっと、私のところに来る草野。


「千冬おねーちゃん、ただいま」

「………」


おうおう、なんと呑気なことよ、草野ちゃん。

夜叉騎士の殺気が消えてないから、こっちに来たのね。


あ、そろそろかな?


「失礼する。機甲騎士団団長の私を呼び立てるとは良い身分だな」

「やほーー千冬。来ったよー」

「……フム、コレガ顛末カ、雪宮殿」

「こちらは忙しいのに呼びつけるな!団長は更にお忙しい身分なのだぞ!!」

「いきり立つな、レオンハルトよ。で、これはどういうことかの?子爵」


まだ呆然としちゃってるよ、自業自得だけれども。

おーーい、上司が来てるよーー起きなさーーい。


「………ハッ、は?え、だ、団長!?」

「私はどういうことかと聞いておる。聞こえなかったか?子爵よ」

「これは………」


弁明という名の嘘を並べ立てる子爵はんにんさん。

もう証拠は提出済みですよ。

でなければ、ここまでお呼び立て出来ないじゃない。


「なるほど、本当のことを話せば団の事を考えているとして減刑も考えたが、

これは情状酌量の余地なしだ。この者は過剰な越権行為、並びに帝国の国益を害した。

捕らえよ!レオンハルト。部下たちも同罪だ」


外の部下にも伝えるレオンハルト。


「ハッ!承知致しました。この者らを連れて行くぞ!」


「私の部下が失礼致した、ニヘル団長。この借りはいずれ」

「うむ、それは帝国のため、共に戦う際にでも。ジーク・ハイル・ヴァルトリエ!」


黒獅子騎士団の面々は去っていった。

この件はひと段落だな。

で………。


この話で機甲騎士団を終わらせられませんでした。

次話で終わるのだろうか。


そういえば、猫の日ですね。

草野をうまい具合に出せました。

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