表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
16/27

【16杯目】機甲騎士団⑧

ようやく機甲騎士団の話の終わりが見えてきました。

さて、後、何話かな?



「この様な姿で恥ずかしいが、お前なら偏見なく接せると思ってな」


そう言って、自嘲気味に笑いかける男。

下半身と右腕が機械に置き換わっている。

例の機甲騎士団の戦車部隊の乗務員だった男だ。


「お前、その姿……ヘマしたな」

「ああ、拒否できなかった。立ち回りが下手だった代償だな。

最新兵器部隊に配属されて有頂天だった報いかもしれんな」


ここで意外な人物が口を出す。


「貴官ハ誠実デ優秀ナ軍人ダ。ニヘル団長モ一目置イテ居ル。

中心ニ近ク清廉ナ分、足元ヲ掬ワレタ。タダソレダケノ事ダ」


パンツァーロード閣下だった。

事情はある程度、承知しているらしいな。


「伯爵閣下、よろしいでしょうか?」

「構ワナイ、申シテミヨ」

「今回の件、事の経緯と目星はついているのでしょうか?」

「それについては小官から言う。閣下の承諾は得ている、千冬」


男が経緯を語り始めた、あの女のことも含めて。

なるほどね…そういうことか、理解理解。

ある程度、答え合わせの様なものだけどね。

情報を照らし合わせれば、バカでもわかるさ。

ただ……。


「私は死んだことになり、伯爵閣下の部隊に新人として配属されるだろう。

そうしないと閣下にも害が及ぶしな。

……ただな、千冬。どうしてもやっておきたいことがある。

それをお前にセッティングして貰いたいんだ。報酬は………そうだな「待った」」


私は話を遮る。


「この件に関わったのは私の意思ではないとは言わないが、

傭兵団団長である夜叉騎士の意向でもあるんだ。

何やら団長やしゃきしは今回の件の臭いを少なからず嗅ぎとっている様だ。


報酬は要らない。最後まで面倒みるよ、何したらいい?」


パンツァーロード閣下が頷く。


「千冬殿ノ上司だんちょう、夜叉騎士殿ノ評判ハ耳二スル。新進気鋭ノ傭兵ダトナ。

任セテミテハドウカ?」

「それでは……」


さ、締めといきますか。

こうまで昼は働きたくないからな、知人のためとはいえ。

早々に終わらせて昼まで惰眠を貪りたいとこだね。


「秋音姉さん、帰ったよ。あいつには奢ったかい?」

「あら、千冬ちゃん。その方なら今、帰ったところよ。用事があったの?」

「いやいや、そうじゃないんだ……あれま、珍しい、こんな時間に」


カウンターに座ってお茶を飲んでいる天月。

あまりにも珍しい光景にたじろぐよ。


「妾がいて不思議かの?千冬よ」

「いや、そうじゃないが……あの女はどうしたんだい?」

「今夜はここで飲みたいそうじゃ。今は別の者を護衛にしとるぞ。

なんじゃ?夜叉騎士の許可は取ったのじゃ。文句は言わせんぞ」

「……そうか、ならば丁度いい。私も用があるんだ」


簡単に役者が揃ったな。

なんだ、動こうと踏ん張る必要はなかったか。


あ、そうだ。夜叉騎士だんちょうに報告しなきゃだな。


「………と、言う訳です」

「うむ、千冬のやりたい様にせよ。引き続き全ての責は小官が取る」


よしよし、全ての布石が完了。舞台はbar(ここ)だしな。


そうは言っても私が何かするわけじゃないんだけどね。

暴力沙汰になっても私や夜叉騎士がいるし、問題ないでしょ。

大体は予想がついていることでしょう。

この後も。

でも、読んで頂けると有難いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ