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ShotBar 13th door 千冬の業務日誌  作者: 夜叉騎士
12/27

【12杯目】機甲騎士団④

今回はNPCジェレミアさんの受け答えが多くなっています。

解釈違いにならなければいいな……。

やっぱり鍵はジェレミアか?巻き込まれた当事者として。

店に誘ってみようか。

一杯奢るって言えば来るでしょ、アイツのことだ。


「はぁーい、お呼ばれに来たわよ」

「いらっしゃいませ、こちら(カウンター)へどうぞ」

「なあに?固いじゃない、千冬」

「これが仕事上のスタイルだ。気にするなら奢りは無しにするぞ」

「はいはい、了解」


大人しくカウンターに座るジェレミア。

こいつは鼻がいいからな、すぐに先日の件だと気付いた様だ。


「……で?タダで奢ってくれるとは思えないんだけど、アンタ」

「先ずは一杯どうだ?これは本当に奢りでいい。

夜叉騎士オーナーから承諾も貰っているし、問題ない」

「これは…ってことは先があるのね。まあ、貰える物は貰っときましょ。

最初はエールでよろしくぅ」

「承りました」


短く返答して、冷やしたグラスを冷蔵機器から出し、エールを注いで出してやった。


「お待たせ致しました」

「…んぐっ、んぐっ、ぷはぁ。早速だけどさ、何を聞きたいの?千冬」

「そんなにせっかちだったか?ジェレミア。まあ、話が早くて助かるがね」


お通しの甘さ控えめのクッキーを出しつつ、受け答えをしたんだ。


「アレでしょ?例の出所不明の命令ってやつ」

「……そうだ。何か聞いているか?」

「聞いてないよ、『命令を続行しろ』とは団長から言われたけどね」

「……チッ、そうか。あてが外れ…」

「まあ、待ってよ。確かに直接聞いてはいないよ、聞いては、ね」

「……くっ、わかったよ。もう一つだ」


いつの間にか空いたグラスを恨めしそうに見て言ったんだ。


「毎度ありー。ねえ、なんか変わったヤツないの?」


丁度いいのがあったな、そういえば。

ジェレミア(こいつ)、こういうところも鼻がきくのか。


「最近、流通し始めた穀物があっただろ?」

「そうね、確か『米』だっけ?」

「そうだ。ソレから作った酒があるんだが、飲むか?」

「いいね。じゃあ米から作った酒(ソレ)にするわ」


グラスと四角状の受け皿を用意し、酒を注ぐ。

受け皿にもギリギリまで零した。


「おいおい、こぼれているよ、千冬」

「これはこういう仕様なんだ。受け皿までで一杯になる」

「いい文化だねぇ。じゃ、頂くとしましょ。

へぇー結構芳醇な味と香りだね。思ったより美味しいな」

「不味いと思ったら、店には置かない。特に夜叉騎士オーナーが、な」


お冷(和らぎ水)を用意しつつ、答えた。

うるさいからな。ああ、店の酒には。


落ち着いたタイミングでジェレミアから切り出す。


「……で、聞きたいんだろう?情報♪」

「ああ、ちと案件を抱えていてな」

「私が調べたとこによるとね………」


聞いた内容は以下の通りだったな。

・複数の部隊、主に傭兵団に指令が出ていたこと。

・エスコート役は機甲騎士団のメンバーがになっていること。

・機甲騎士団の部隊にも指令が出ていたこと。

・8割方任務は成功していたが、大損害を出した部隊もあること。


「へぇ……そこまでとは、ね」

「ま、そんなもんか。後は自分でやりな、千冬」

「わかった。ありがとうな「千冬ちゃーーん、上がったよー」」

「秋音姉さん、少なくとも客の前では『ちゃん』はやめてくれよ…」

「ぷふっ、『千冬ちゃん』……くくくっ…あはははは」

「い!い!か!!広めたら地獄の底まで追いかけて潰しに行くからな」

「おおっ、怖っ。わかった、わかった。言わない、言わない」


本当にわかっているのか?ジェレミア(こいつ)には逃げ切りされそうだ。

恨めしい目で見つつ思う。


「……チッ、ほらよ。これも奢りだ、喰え」


先程、秋音姉さんが作った鰤と大根の煮込みだ。


「…えっ?いいのかい?千冬」

「ああ、これは私からじゃない。厨房の秋音姉さんからだ。

その酒には合うだろう。姉さんからの助けてくれた礼だな」

「そう?じゃ、遠慮なく……あちっ、美味っ、いいなこれ!」


それはそうだろう。秋音姉さんの食事は美味いからな。


さて、後は……。

さてさて、まだまだ続きそうな気配。

次回はちょっと変えてみます。

業務日誌でもなんでもないな、これ。

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