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伊海島事変  作者: osagi
6/12

<水陸機動団>

 伊海島が占拠されてから七日目の未明、伊海島南部にいる護衛艦『いずも』を司令部として伊海島の奪回作戦が決行された。


 伊海島北部に停泊する輸送艦『おおすみ』からは水陸両用車であるAAV7が発進し、陸上自衛隊の水陸機動団は伊海島北部の北伊海浜への上陸を目指す。


 「敵、大砲を用意」

 「了解、これより支援に入る」


 そして海岸線に置かれている大砲たちは海からくるそれに対して砲を向けるが、護衛艦『いせ』より発艦した第一ヘリコプター団所属の対戦車ヘリコプターであるコブラは上空より20mm機関砲の射撃を行なう。


 バババババ


 その轟音は凄まじく、敵の砲兵だけでなく鉄の塊である大砲ですら粉砕してそれを完全に無力化する。一方ですでに浜のすぐ隣にある道路上にいる敵は海からくる敵を今か今かと待ち構えていた。


 「構え!撃てー」


 ババーン


 浜まであと50mほどとなった時、島から鎧を着た男の号令で銃を持った者たちによる一斉射撃が行なわれる。だがその銃弾はほとんどあたることなく、もし当たったとしても一切AAV7の装甲にダメージを与えることはない。


 「敵、我が方に向かって射撃を開始、現在給弾中」


 そしてその銃も撃った後は筒先から火薬と弾を入れる必要があり、そうしているうちに水陸機動団は北伊海浜へと上陸する。


 「構え!」


 そして敵からは上陸した車両へ向けて第二射目を撃とうとするが、それに対してAAV7の主砲である12.7mm重機関銃が火を噴く。


 タタタタタ タタタタタ


 その音は敵の持つマスケット銃よりも落ち着いていて軽い。だが、威力の方は桁違いであり間にあるコンクリートを粉砕し、ガードレールに至ってはまるで紙のように貫通する。


 「敵、撤退を確認」

 「了解。引き続き上陸、展開せよ」


 重機関銃の発砲と共にほとんどの敵は息絶え、運よく弾に当たらなかった者はそのままバラバラに逃げて行く。その後AAV7からは隊員が降車し、車両はコンクリートのスロープを登って浜から道路へと進んでいく。


 こうして伊海島へと上陸した十数両のAAV7は西部からくる敵に警戒しながら東に進んで伊海島北部の制圧を目指す。


 「こちら第一小隊、村役場三階より銃撃あり」

 「第二小隊、村役場一階に突入」

 「AAV、学校敷地内に進入、敵多数、現在交戦中。上空支援を求める」


 北部では村役場、小中学校の確保のための戦闘が行なわれていた。特に、小中学校の体育館には多くの敵が寝泊まりしていることが上空からの偵察で把握されており、出てくる敵に対して重機関銃、ヘリによるによる掃射が行なわれる。


 その後、水陸機動団は村役場と小中学校を制圧。これにより、さらに部隊を揚陸するための浜と埠頭を確保することに成功したのである。





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