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急転16

「確かに…あるな、わしとおぬしに宛てられた手紙が」


 伝令兵の言葉に会った通り、棚の二段目を開いて手紙を取り出したモットレイがニコラに告げた。


「それで…どうする、ニコラ将軍」


「凄い…」


「ん?」


「凄い!凄いじゃないかヒューゴ陛下は!ねえ、モットレイ将軍!あなたもそう思だろう!?」


「む…う…」


 ニコラに詰め寄られ、驚きながら半歩下がるモットレイ。


「ここに私達が来る事まで予測していたなんて…。こうしちゃいられない!」


 天幕の外へ向かって駆け出そうとするニコラ。モットレイはその背に声をかける。


「ニコラ将軍、どこへ行く」


「決まっているじゃないか。敵の中央軍団へ一斉攻勢をかけないと。何しろ、敵中央軍は10万もの兵を左翼軍団の援護に向かわせた…手薄になった今叩かずしてどうする。ははは!ここで敵中央軍団を壊滅させれば私の大将軍フィシュタル・ジェネラル昇進も約束されたようなものだ!」


 意気揚々と駆けていくニコラ将軍。確かに彼の言う通り、状況はほぼヒューゴの予想通りに推移していた。


 だが、ヒューゴはエレオノール軍の動向を伝令兵から聞いたニコラとモットレイが天幕に来るのを『4、5時間後』と予測していた。しかし、実際に彼らが来たのはヒューゴがここを離れてから3時間後。それはつまり、ヒューゴの予想よりも1、2時間早く椿達が動いたという事。それはほんの僅かなズレと言って良い。だが、その僅かなズレが…椿の稼いだ1時間が、戦況を大きく変える事となる。

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