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急転11

 椿の提案を聞いて後のエレオノールの行動は早かった。素早く中央第一軍の幹部を招集、現状を伝える。


「皇帝の肩書きまで持ってる総司令官…ヒューゴ・トラケウが…単独で奇襲っすか…!?」


 驚きの声を上げたのはエマだが、その言葉は他の者達の心中をも代弁していた。


「ああ。そして、この状況から我が軍が勝利するには…ヒューゴ・トラケウを討つしかない。ツバキが提案してくれた策だが、私もこれが最上かつ唯一の手だと思う」


 現状、エレオノール軍は大きく崩れている訳ではない。少なくとも目に見える範囲では、中央第二軍が敵の中央第二軍を押しに押して有利な体勢を築いている。普通の指揮官であれば、「ひとまずここは様子見をして、左翼軍団からの伝令を待とう」と考える所だ。しかし、それでは遅い事をエレオノールは知っている。


 不利になった事がはっきりと分かってから動いたのでは遅い。その兆候が表れた時点で動かなければ、戦況は取り返しのつかない事になっている…それが戦争というものだ。そして、今がその時だった。


「今この瞬間にも、ヒューゴ・トラケウは左翼軍団を蹂躙しているかもしれない。素早い行動が求められる…よって、騎馬隊のみでヒューゴ・トラケウのもとに向かう。ボゥホート・ネヴィル重装歩兵部隊長」


「はっ」


 ボゥが一歩前へ進み出る。


「ここに残り中央第二軍の援護を頼みたい」


「承知いたしました!」


「ホフマン騎兵部隊長、そしてエマ副長」


「はい」


「はいっす」


 進み出るホフマンとエマ。


「ホフマンは配下の騎兵を引き連れ、エマは弓兵隊をボゥホート部隊長に預け、私について来てほしい。可能な限り多くの騎兵が欲しいからね」


「かしこまりました」


「承知しましたっす」


 エレオノールの命令が行き渡ると、一同はすぐに行動を開始した。

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